2026.04.13 大阪公立大、全固体電池の社会実装へ成果 粒子の調整でイオン伝導効率向上

 次世代蓄電デバイスの全固体電池に、注目が集まっている。しかし実用化に向けては、電極内部でリチウムイオンがいかにスムーズに移動できるかが鍵となっている。そこで大阪公立大学らの研究グループは、硫化物系固体電解質粒子の大きさを均一化せず、あえて大小を混在させることで電極内のイオン伝導効率を向上させることに成功した。

 全固体電池に使用される粒子が同じ大きさの場合より、大小さまざまな粒子が混ざっている方が、最短距離に近いイオン輸送経路が形成され、伝導効率が高まることを確認した。この研究成果は、2026年2月17日に国際学術誌「Journal of Energy Storage」にオンライン掲載されている。

 研究グループは、今回の成果として二つのポイントを挙げた。一つが、電極の材料である固体電解質の粒子の大きさを不ぞろいにすることで、電極内部でのリチウムイオンの移動効率(イオン伝導性)の向上を確認した点。さらに、高価な新材料の代わりに粒子の大きさを調整することで、全固体電池の急速充電放電性能を引き出すことが可能になったという。

 研究グループでは、高価な新材料の開発は必要ないと判明したことから、既存材料の粒径分布を最適化するだけで、全固体電池の性能を大幅に引き出すことが可能なことを突き止めた。これにより、電気自動車(EV)の急速充放電性能の向上や、製造プロセスの効率化が期待されるとしている。

 今後は、正極活物質の粒径や充塡(じゅうてん)密度との相関の解析を進め、より実用的な電極製造プロセスにおける最適設計手法を確立し、全固体電池の早期社会実装につなげたい意向だ。