2026.04.24 中国電力と旭化成、蓄電池運用最適化システムを共同開発 蓄電池領域の新たな価値創出目指す

 中国電力と旭化成は23日、蓄電池運用最適化システムの共同開発に関する覚書を締結したと発表した。電力市場取引での収益性だけでなく、電池の状態や寿命への影響も踏まえ長期的な収益性向上につながる運用判断を行うシステムを開発する。電池素材メーカーの旭化成がソフトウエア開発に携わることで、蓄電池の運用最適化システムを幅広いリチウムイオン電池に適用可能となる。

 再生可能エネルギーの更なる導入拡大に向け、電力系統への調整力を持つ蓄電池の重要性はより一層高まっている。中国電力は、太陽光・風力の開発に加え、2025年12月から自社として初の系統用蓄電所である下松蓄電所(山口県下松市)の建設を開始するなど、再生可能エネルギーの導入拡大や調整力の確保に取り組んできた。旭化成は、リチウムイオン電池や同電池用セパレーターの開発・製造経験があり、電池素材の劣化メカニズムまで考慮した独自の電池劣化診断・予測技術を生かし、蓄電池劣化診断ソフトウエアを開発した。

 今回の取り組みでは、26年度から29年度の期間で、両社の技術・知見を活用し、旭化成の蓄電池劣化診断ソフトウエアを基に、蓄電池の充放電計画を立案するソフトウエアを新たに共同開発。下松蓄電所などで実証試験を行うことで、同システムの商用化を目指す。電力市場取引で得られる利益と、充放電の繰り返しによる蓄電池の劣化が将来的な収益に与える影響を総合的に評価し、市場への放電をコントロールすることで、長期的な視点での収益最大化を目指し、最適かつ持続的な蓄電池運用を実現する。

 共同開発では、中国電力は電力需給の運用や市場取引などの具術・知見をもとに、実装を想定した環境下で実証試験を行う。旭化成は中国電力の運用環境に応じた最適な運用計画を実現するため、ソフトウエア開発・実装を行う。

 両社は、共同開発を通じて蓄電池領域で新たな価値を創出し、更なる普及拡大に寄与することで、カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指す。