2020.07.14 勇払油ガス田で追加の商業生産JAPEX、従来より約3000メートル浅い地層で

 石油資源開発(JPEX)は、北海道苫小牧市の勇払油ガス田において、従来より浅い地層(浅層)で追加の開発を行い、商業生産を始めたと発表した。重質油が産出し、当面の生産量は日量200キロリットルを予定している。 

 同ガス油田は、苫小牧港から約2キロメートル北の陸上に位置する。00年代に生産がピークを迎え、現在は生産量が減少傾向にある。

 だが、従来よりも2500‐3500メートル浅い地層で13年に産出テストを行い、原油の存在を確認。その後の検討で、既存の設備を改修するなどして開発費を抑えれば経済性を確保できる見通しが立ったため、17年6月に開発着手を決めた。20年6月に生産テストや設備の試運転を終えて生産開始となった。

 JAPEXは「原油を貯蔵したり、出荷する施設の一部は既存設備を再利用した。生産井もテストで掘ったものを活用するなど工夫している」とコメント。産出した原油は、苫小牧港からタンカー船で出荷されるという。