2020.10.26 【ニューノーマル時代のCEATEC】〈1〉初の完全オンライン形式

「CEATEC 2020 ONLINE」公式サイト「CEATEC 2020 ONLINE」公式サイト

Generalエリア(企業エリア)Generalエリア(企業エリア)

ニューノーマル関連プレゼンテーションニューノーマル関連プレゼンテーション

 史上初のオンライン開催となった「CEATEC 2020 ONLINE(第21回)」(主催=CEATEC実施協議会)が20-23日に開かれた。

 今年は、前回までの幕張メッセ(千葉市美浜区)でのリアル開催から一変し、オンライン上の会場(Webサイト)で展示エリアとコンファレンスの映像配信を展開するという、完全オンライン方式で開催された。

 スローガンは「ニューノーマル社会と共に歩むCEATEC」。〝CPS(サイバー・フィジカル・システム)/IoT総合展〟というこれまでのコンセプトを踏襲しつつ、新時代に向けた新たな見本市の方向性を提示した。初日20日の午前にはアクセスが集中してサイトがダウンするなどのトラブルも見られたが、その後はほぼ予定通りに運営されたもよう。

 今年の出展者数は356社・団体。例年同様、総合電機メーカーや電子部品・素材メーカー、情報通信関連企業などを中心に、インフラ・建設関連、商社、スタートアップ企業、大学・教育機関など、様々なジャンルの企業や団体が出展した。

 特に今年はオンライン形式との親和性を反映し、ソフトウエア関連の企業が目立った。

 展示エリアは「ニューノーマルエリア」「Generalエリア(企業エリア)」、設立9年以内のスタートアップ企業などが対象の「Co-Creation PARK」の三つで構成。いずれのエリアでも、「ニューノーマル時代への対応」をコンセプトとした製品やソリューション、サービスの紹介が際立って多かった。

 具体的なソリューションとしては、コロナ禍を反映して「非接触/遠隔コミュニケーション」をコンセプトとした製品やサービスが多く提案されたほか、ニューノーマルへの対応として、テレワークやリモート授業などをサポートするソリューション、企業活動や製造業、リテール業務などのデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)化を促進するソリューションなどが広く訴求された。

 アプリケーション別では完全自動運転車や次世代のxEV(電気自動車、プラグインハイブリッド車など)に照準を合わせたコンセプト展示や、スマートファクトリー関連、5G・ローカル5G関連、8Kなど高精度大型ディスプレイ応用ソリューション、メディカル・ヘルスケアソリューション、次世代エアモビリティ(空飛ぶクルマ)関連などの展示がめじろ押しだった。

 コンファレンスも多数用意された。各業界のトップリーダーやオピニオンリーダーなどによるキーノートをはじめ、5Gや次世代モビリティなど様々なテーマ別のオンライン講演会をチャンネル1からチャンネル5までの計5チャンネルで提供。出展企業各社のオンラインセミナーも連日開催され、4日間で計20プログラム以上のウェビナーを実施した出展者もあった。

 新規出展者は計164社・団体に上り、新規出展企業の比率は46%と昨年を大幅に上回った。特にJETROの協力で計45社の海外スタートアップが出展。史上初のトルコやメキシコからの出展者も見られた。

 今回のCEATECは、訪問者が実際の展示製品に直接触れることができない半面、場所を選ばす、どこにいても好きなタイミングで展示会にアクセスできることが大きなメリットとなった。出展者は、訪問履歴機能によってリアルタイムで来場履歴が確認でき、どの展示内容の視聴者が多かったかなどを把握可能に。さらに、「チャット機能」で訪問者と出展者が直接コミュニケーションでき、出展企業からは「海外でWebを視聴している外国人の訪問者とチャットでやりとりしたケースも多かった」との声も聞かれた。

 CEATEC実施協議会では、今回のオンライン開催を通じて得られた知見や意見などを、今後の新たな総合展示会に反映させる方針。来年のCEATECの開催形式は現状では未定だが、基本的には幕張メッセでの開催を前提とした上で〝リアルとオンラインのハイブリッド型展示会〟を検討していく。(つづく)