2019.10.24 【新技術】岡山大などが ダイヤモンドに添加したリン原子周辺3次元原子配列構造を世界で初観測

[図1]光電子ホログラフィーの原理図光のホログラフィーの場合、レーザーを物体に当てて物体波を作り出し、物体に当たっていない光と干渉させることで、ホログラムを作り出す。ホログラムに再生光をあてると、物体を3次元的に見ることができる。光電子ホログラフィーの場合も同様で、X線を試料に当てると、添加した原子から光電子が飛び出してくる。電子は波としての性質を持つため、光電子は周囲の原子によって散乱されて散乱波を形成し、散乱されていない波と干渉してホログラムをつくる。このホログラムから計算によって添加剤の原子周囲の構造が3次元的に再生される

岡山大学異分野基礎科学研究所の横谷尚睦教授、寺嶋健成特任講師(現NIMS特別研究員)、竹田彩博士前期課程学生ら、高輝度光科学研究センター(JASRI)の松下智裕主席研究員、木下豊彦主席研究員、室隆桂之主幹研究員、技術総合研究所(産総研)の加藤宙光主任研究員、山崎聡招聘研究員、大阪大学産業科学研究所の小口多美夫教授の研究グループは、ダイヤモンドに添加したリン原子周辺の3次元原子配列構造の観測に世界で初めて成功した。これは、結晶中の添加元素を選択的に10...  (つづく)