2021.03.18 【九州・山口産業特集】エフェクト新規の教育事業に力を入れる

光安 社長

 IoTソリューションを主力とするエフェクト(福岡市博多区)は、昨年から取り組みを始めた教育事業が徐々に成果につながり始めている。

 これまでも、組込みシステム技術協会(JASA)九州支部と協力し、ETロボコン九州北地区実行委員会も主導するなど組込み技術の底上げに向けた教育視点での活動を行ってきた。さらに、昨春に定款を変更、従来のソフト開発事業に加え、新規に教育事業を追加している。

 光安淳社長が副理事長を務めるQUESTとも連携し、今後さらに重要度を増すと見込んでいる教育事業に力を入れてきた。

 その成果として、以前から親交のあった福岡市科学館とのコラボ企画で、小学生をターゲットとしたAI×ロボットの実技セミナーを開催。申し込み開始前から注目度が高く、締め切りを待たずに満席と、人気を集めた。当日は参加した小学生や保護者からも満足の声が多く、盛況となった。

 また、唐津ビジネスカレッジ(佐賀県唐津市)との企画で、カレッジの学生や一般の参加者に向けたセミナーを、QUESTと合同で推進している。

 セミナーでは、エフェクト社内のAIチームメンバーによる講演や、以前から自社開発として取り組んできた「自律飛行AI×ドローンによる農園監視システム」への取り組みを紹介。

 実際に会場内の3Dマップを作製して、AI×ドローンが障害物を避けて目的の位置へ飛行する実演を行った。

 AI×ドローンなど、独自の取り組みは、昨年6月に増設した第二オフィスにおいて、リモートワークも効率的に活用しながら進めている。

 新型コロナウイルスの影響が収束をみせない社会環境下にあって、同社は20年度(12月決算)を増収増益で終えた。

 光安社長は、「これまで通り受託事業は継続と成長を目指すが、そこに固執せず、コロナ禍にあっても最先端の自社独自技術を生かした新規事業を展開していきたい」としており、この姿勢は今年度も変わらない。