2021.03.18 【スマートハウス用部品技術特集】エリーパワーが全負荷対応ハイブリッド蓄電システム スマートハウス用部品技術 全停電時も家中のコンセントが使える

ハイブリッド蓄電システム「POWER iE5 GRID]

使用イメージ使用イメージ

POWER iE5 GRID(パワーイエ・ファイブ・グリッド)の仕様POWER iE5 GRID(パワーイエ・ファイブ・グリッド)の仕様

 エリーパワーは、全停電時も家中のコンセントが使える全負荷対応モデルのハイブリッド蓄電システム「POWER iE5 GRID(パワーイエ・ファイブ・グリッド)」を開発し、21年春から発売する。停電時のレジリエンス性を強化する、太陽光発電、エネファーム、蓄電池の三つの電池連携が可能。

 近年頻発する大規模な自然災害に起因する停電や、この冬日本列島を襲った大規模寒波による電力逼迫や広域停電の可能性、さらに新型コロナウイルス感染症を契機とするテレワークや在宅時間の増加、避難所での三密を避けるための分散避難対策など、災害時でも自宅で日常に近い生活を送ることのできる戸建て単位での電源確保の重要性はますます高まっている。

 防災配慮住宅を普及させ、住まいと暮らしの安心を守るため、そして脱炭素社会に向け再生可能エネルギーをムダなく活用し環境問題を解決するために、日常ではエネルギーをムダなく活用でき、停電時にも普段に近い生活を送ることができる蓄電システムを開発した。

 同製品は、停電時に特定負荷のみでなく、家中のコンセントが使える全負荷対応モデル。停電時でも最大5.5kWの高出力を実現し、一度に多くの機器を利用できる。リビングエアコンやIHクッキングヒーターなどの200V電気機器や、電気ケトル、電子レンジといった機器も使えるため、災害時でも普段に近い生活環境を保てる。また、家庭のニーズにあわせて蓄電池ユニットの増設が可能。

 普段の生活では、「HYバッテリー(Lシリーズ)」の優れた充放電(高入出力)特性を生かして蓄電池ユニットの最大充放電電力を5.5kWに高めたことで、節エネモードやスマートモードの際、太陽電池の余剰電力を余すことなく充電できるため、これまで以上に電力を効率的に蓄電システムに貯めて使うことが可能となり、電力自給率を大幅に上げることができる。

 従来製品「POWER iE5 Link」同様に、停電時のレジリエンス性を強化する太陽光発電、エネファーム、蓄電池の三つの電池連携が可能。三つの電池の併設住宅では、それぞれの機器を単体で導入する住宅に比べ、日常の電力自給率の向上が期待できるが、連携住宅では上記メリットに加え、停電時に蓄電池とエネファームが連携し、エネファームの発電電力を太陽光発電電力と同様に活用できる。これにより、台風や豪雨、夜間など太陽光発電が期待できない時も、安定した電力を確保できる。

 同製品は従来製品同様に、停電時にパナソニック社製エネファームと連携できる。また、本製品からアイシン精機社製エネファームtypeSとの停電時連携も予定している。

■製品の特徴

1.全負荷型で家中のコンセントをバックアップ 蓄電容量(5.4kWh/10.8kWh)/定格出力(平常時:8.0kW 停電時:5.5kW)

 ・分電盤への接続が可能なため、既築住宅への設置が容易

 ・停電時も家全体のコンセントを使える

 ・蓄電池ユニットからの最大充放電電力が5.5kWのため、電力自給率も大幅に向上

2.ハイパワー出力で、停電時も一度にたくさんの機器を使用可能

 ・平常時8.0kW、停電時5.5kWの高出力

 停電時でも電気ケトルや電子レンジなど、高出力機器を同時に使用することが可能

 ・リビングエアコンやIHクッキングヒーターなど200V機器も使用可能

 ・例えば、夕食準備時に、以下の機器を同時に使用することができる。

 (例):電気ケトル(1,300W)、炊飯器(1,300W)、IHクッキングヒーター(1,000W)、電子レンジ(1,000W)、冷蔵庫(180W)、液晶テレビ(100W)、LED照明(50W)、6畳用エアコン(200W):合計5,130W

3. 入力回路数増加で機器接続能力を向上

 ・PVストリング数4で、多彩な屋根形状(太陽電池)に対応可能

4.停電時でも日常に近い生活が可能

 太陽電池と組み合わせることで、連日の電気の自給自足も可能

 ・本製品は家中全てのコンセントに電力が供給される。停電時は電気を上手に使うことにより日常に近い生活を送ることが可能。また、太陽電池と組み合わせることで、停電時も数日にわたって電気の自給自足が可能。

 5.選べる四つの運転モード

1)節エネモード(電力自給率を向上させるモード)

 →太陽電池の発電電力の余剰電力を蓄電池に充電

 →太陽電池の発電電力の余剰電力がないときに蓄電池から放電

 →蓄電池に充電中もしくは蓄電池が満充電のときの太陽電池の発電電力の余剰電力を売電

2)スマートモード(経済メリットを大きくするモード)

 →電気料金が安価な時間帯を設定し、蓄電池に充電

 →太陽電池の発電電力の余剰電力も蓄電池に充電

 →太陽電池の発電電力より電力使用量が大きいときに蓄電池から放電

 →蓄電池の充電中もしくは蓄電池が満充電のとき太陽電池の発電電力の余剰電力を売電

3)ノーマルモード(ピーク電力を抑制するモード)

 →電力使用量が少ない時間帯を設定して蓄電池に充電

 →電力使用量が多い時間を設定し蓄電池から放電

 →太陽電池の発電電力の余剰電力は売電

4)蓄電モード(万が一の災害や停電に備え、常に蓄電池を満充電に保つモード)

 →時刻や日射量に関係なく、満充電になるまで充電

 →充電完了後は停電に備えて待機。

 <資料提供:エリーパワー>