2021.03.26 【中国拠点特集】サンワテクノス地域密着の顧客サービスなど注力
熊谷 営業部長
サンワテクノスの中国3営業法人(上海、深圳、香港)の一つの上海法人「珊華電子科技(上海)有限公司」(上海サンワテクノス)は、北方エリアでの営業を管轄する「北方営業部」(大連市、熊谷平五営業部長)を展開し、地域密着による顧客サービスや技術サポートに注力している。
上海サンワテクノスは192人が在籍。電子部門を主力に加工品部門、機電部門などで構成され、電子部門は日系部品の代理店販売、購買代行のほか、中国系優良メーカー開拓を強化。機電部門はサーボモーターやロボットを中心に、周辺機器との組み合わせで最適なソリューションを提案。加工品部門は現地協力会社と連携し、金属・樹脂加工製品の受託生産を行う。
北方営業部は、大連、瀋陽、天津の3分公司で構成され、東北三省から北京、天津、河北省、山東省までのエリアをカバー。日系や中国系など約500社の顧客を持つ。熊谷営業部長は、北方営業部について「日本企業のキメ細かなサービスを横展開し、高水準の顧客満足度獲得に努めている。中国市場のスピードに対応するため、顧客密着営業による情報収集と関係部署への迅速な展開を徹底し、組織力を生かした営業活動を実施している」と話す。
北方エリアの人員は、3分公司と営業開発課を合わせ計20人。営業開発課にはSEが配置され、機電製品の技術サポートを行う。
上海サンワテクノスの20年度売上げは2年ぶりに過去最高を更新した。20年1-3月はロックダウンなどの影響を受けたが、4月以降はマスク製造装置案件のほか、5G関連の部品や装置販売も増加。年後半にかけ、工作機械や生産自動化などの案件も拡大した。
21年度は上海サンワテクノス全体、北方営業部ともに10%程度の増収を目指す。北方営業部の21年度展開について、熊谷部長は「日本の車載事業部との連携による天津エリアの車載業界の開拓とEV・新能源(新エネルギー)分野の深耕、中国系半導体製造装置への部品提案強化、自動化案件に対応するための有力パートナー獲得と専任人材育成、AI・VR・ARなどの先端技術を活用した高付加価値製品の提案強化とさらなる新商品開拓を強化する」と話す。大連港を第2物流拠点とすることも検討中。将来的には青島への営業拠点新設も検討する。