2021.03.26 【中国拠点特集】ニチコン尼吉康電子(宿遷)有限公司
南出 董事長兼総経理
フィルムコンデンサ一貫生産開始
ニチコンは、地産地消のモノづくりを進める。環境対応車として中国で普及が進む電気自動車(EV)向け、市場拡大が続くハイブリッド車(HV)向けのインバータ平滑用フィルムコンデンサの需要増に対応。江蘇省宿遷市蘇州・宿遷工業園区にある「尼吉康電子(宿遷)有限公司」で4月から、蒸着から組み立てまでのフィルムコンデンサ一貫生産を、構内に新設した専用新生産棟で始める。
月産5万台で5月から出荷する。既存棟で20年4月に組み立てを開始し、翌5月から月産5万台で出荷している分と合わせて月産10万台体制を整える。
さらに第2専用新生産棟を今春、着工。22年春に竣工させ、蒸着機を増設して月産15万台体制を敷く。蒸着機増設を続け、23年には月産20万台に引き上げる。26年度まで月産5万台ずつ生産能力を高め、26年度には月産能力35万台体制を目指す。
同社は、上海から500キロメートル、蘇州から420キロメートルに位置する、宿遷市と蘇州工業園区が共同開発した蘇州・宿遷工業園区に日系企業第1号で進出し、2月に10周年を迎えた。
南出智嗣董事長兼総経理は「導電性高分子アルミ固体電解コンデンサを生産していた蘇州から全面移転し競争力を強化してきた。PCマザーボード、ノートPC、ゲーム機、ACアダプタ、充電器向け需要が巣ごもりで順調に増え、20年度生産量は18年度比18%増で推移。競争力を生かして自動車向けの需要にも応え、26年度までに自動車比率を3割に引き上げたい。20年4月に生産を始めたフィルムコンデンサは、中国国内の需要に宿遷でしっかり対応するため、積極的に設備投資し、地産地消体制を増強する。旧生産棟規模なら、あと2棟建設できる敷地がある。中華圏市場において品質、コスト、納期、サービス、技術などあらゆる面で最上級を目指すトップノッチ経営を展開し、市場シェアの拡大を図る」と力を込める。