2021.05.19 「オルガテック東京」来年4月開催世界のオフィス家具が一堂、リモート関連も

独ケルンの「オルガテック」の会場風景(2018年開催)

19日の記者発表会では、ケルンメッセとJOIFAが調印式も行った19日の記者発表会では、ケルンメッセとJOIFAが調印式も行った

髙木ケルンメッセ日本法人社長(左)と黒田JOIFA会長髙木ケルンメッセ日本法人社長(左)と黒田JOIFA会長

 世界最大規模のオフィス家具の展示会「オルガテック」を主催する独ケルンメッセは19日、アジア圏に向けて情報発信を狙った「オルガテック東京」を2022年4月に東京都内で開催すると発表した。日本オフィス家具協会(JOIFA)との共催で、「コロナの時代を迎えて、家族と一緒にいる時間を削ってまで働くのはどうなのか。その答えを出す場所はオフィスだ」(黒田章裕JOIFA会長)と強調。テレワークの普及やデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)の推進など、オフィス環境や働き方が急速に変化する中、新たな価値を生み出すオフィス家具の在り方を発信したい考えだ。

 オルガテックは、その前身となる展示会が53年に開催され、1969年から「オルガテクニーク」へと改称。76年には2年に1回の開催となり、国際化も進んだ。90年には、現在のオルガテックへと名称が変更された。

 2020年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、独ケルンで開催を予定していたオルガテックは中止に。そのため、前回は18年の開催になる。

 18年の開催規模は世界40カ国から約750社が出展。そのうち日系企業は「毎回6、7社が出展する」(髙木誠ケルンメッセ日本法人社長)という。来場者数は世界140カ国から約6万3000人、展示面積は13万平方メートルだった。

 同日開催した記者会見で、髙木社長は「アジア地域で(オフィス家具の)商業向け展示会はいくつもある。ただ、アジア発の情報発信型イベントは空白地帯」と指摘。コロナ禍で働く環境が急激に変化している状況を受け、「新しい提案をしていく場所が必要だ」と強調した。

 黒田会長も「ジャストアイデア」とした上で、都内の先進的なオフィス環境を整備している企業への訪問など、「展示会にとどまらない内容にできれば」と期待を寄せる。

 オルガテック東京は、来年4月26~28日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催予定。展示面積は1万平方メートルで340小間・150ブランドの出店者数を目指す。来場者数は2万人以上が目標だ。

 出展者は8割が日本企業、残り2割が海外企業を見込む。2回目は23年を計画し、ケルンで隔年開催するオルガテックとは異なり、毎年開催する方針だ。

 オフィス家具を提供する企業にとどまらず、照明や会議設備、通信関連企業などの出展も見込む。テレワークの普及を受けて「リモートオフィス関連技術」のカテゴリーも設け、関連する製品・技術の展示も行う予定だ。

 リアルでの開催を前提とするが、髙木社長は「ケルンでは見本市が全く開催できず、デジタル開催も経験している。プラットフォームもある」と述べ、オンラインとのハイブリッド対応を含め、コロナの状況を見ながら対応していく方針を示した。