2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】兼松アドバンスド・マテリアルズケミカル材料、電子部品分野強化
浅羽 社長
兼松アドバンスド・マテリアルズ(KAM)は兼松グループの電子専門商社。銅やアルミなど非鉄金属材料を中心に電子部品、ケミカル材料など多様な電子材料を取り扱い、リン青銅や黄銅などの非鉄金属材料をスリット加工し、顧客へJIT納入するサービスを提供している。客先は大手電子部品メーカーをはじめ電子業界向けを中心とした営業活動を行う。
同社は、現在推進中の中期ビジョン「future 135」(5カ年)で利益の倍増を目標に掲げ、ケミカル材料、電子部品分野の強化を最重要課題として取り組んでいる。その一環として、今年7月1日付で寒川商事(北九州市八幡東区)の全発行済み株式を取得し、同社を子会社化した。
寒川商事は主にケミカル材料、電子部品、梱包資材を扱う専門商社。両社の経営資源を融合することで、事業規模拡大とシナジーの創出を推進し、企業価値の向上を目指す。
浅羽鉄平社長は、寒川商事買収の目的について「当社の現状のビジネスは安定しているが、中期ビジョン達成に向け、収益を倍増させていくには、既存ビジネスだけでの達成は厳しく、M&Aも視野に入れていた。寒川商事は当社が得意とする電気・電子業界以外の分野の顧客も多く、また、ケミカル材料に関する豊富な知見を持つ。両社の経営資源を融合し、規模拡大や顧客サービス拡充などのシナジーを発揮していく」と説明する。
両社はともに国内外に多くの拠点を展開するが、東京の拠点以外は場所が重なっていないため、エリア展開の面でもシナジーを発揮していく。
「今期はまず、統合作業をしっかりと完了させる。その上で営業的なシナジーに努め、来期からのプラスアルファの売り上げに結び付けていく。今後も規模拡大やサービス拡充のための新たなM&Aを検討し、スリット加工以外のサービス拡充なども図っていきたい」(浅羽社長)。
KAMは、1978年に兼松の非鉄本部の関連会社として設立された「兼松金属販売」がルーツ。その後、兼松グループの組織再編などを経て、2015年に兼松全額出資の新会社として設立された。