2021.10.19 【CEATEC特集】エリア別動向日本を代表する大手電機メーカーが一堂
CEATEC 2021 ONLINEでは社会課題を解決するさまざまなソリューションが提案される(京セラが13日にみなとみらいリサーチセンターで開催したシーテック事前説明会の様子)
CEATEC 2021 ONLINEの展示エリアは「企業エリア」「Society5.0エリア」「Co-Creation PARK」の三つで構成される。
企業エリア
メインエリアである企業エリアでは、日本を代表する大手電機メーカーが一堂に会するほか、主要電子部品・デバイスメーカー、情報通信関連企業などが多数出展し、ニューノーマル(新しい日常)社会に対応する最新のソリューションや、マーケットを革新的に変革するソリューションなどを紹介する。
総合電機/情報通信関連企業のブースでは、Society5.0やSDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた製品・ソリューションや社会インフラソリューション、DX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)化やグローバルな協創を通じた人々のQoL(クオリティー・オブ・ライフ)向上のための価値創造、ニューノーマル時代の新たな働き方への取り組み、非接触・遠隔コミュニケーションテクノロジー、人工知能(AI)を活用したカーボンニュートラルの取り組みなど、多彩な提案がなされる。
特に今年は「脱炭素/カーボンニュートラル」をテーマにした出品が目立っている。脱炭素社会を支える再生可能エネルギーソリューションとして、低荷重で屋根への設置が可能な新型太陽電池のペロブスカイト太陽電池や、2層構造で高効率なCu2Oタンデム型太陽電池などが出品される。省エネ環境と快適性を両立するZEB技術なども紹介される。
ほかにも、AIを活用した業務ソリューション、AI活用による精密医療技術、データ駆動型研究開発を支えるデジタルプラットフォーム、ローカル5G活用のユースケースなどが用意され、ニューノーマル時代のソリューションをテーマとした多様な動画コンテンツが準備されている。
電子部品・デバイス関連では、日本を代表する主要な電子部品メーカーが数多く出展し、最新の電子部品やモジュールの紹介とともに、これらを活用したソリューションを幅広く提案する。製品紹介や技術紹介に加え、数多くのウェブセミナーの動画を公開する企業も多い。
アプリケーション別では、自動車関連は「CASE」「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」などに照準を合わせ、これらの技術進化をサポートする最新の製品・技術が一堂に公開される。
特にADAS/自動運転を支える技術として、ミリ波レーダーやLiDAR(ライダー)といった最新のセンサーヒュージョンが紹介される。さらに、xEV向けではEV/PHV用のV2Hシステム、EV用バッテリーやインバーター向けの大電流・高耐圧部品、車載用電源系インダクター、各種車載用センサーなど、多彩な品が展示される。将来の車載5Gなどに照準を合わせた部品提案もなされる。
5G関連も各社の最注力分野の一つだ。5G/ミリ波伝送を支える低損失材料や5Gアンテナ、高速大容量伝送部品、および5Gインフラ構築の課題を解決するソリューションなど、さまざまな提案が行われる。
高機能モバイル端末関連では、次世代の高性能スマートフォンやスマートウオッチ、ワイヤレスイヤホンなどの各種ウエアラブル機器に狙いを定めた超小型電子部品、ノイズ対策用デバイスなどの最新技術が一堂に紹介される。
ドローンも、今年のCEATECでの注目分野の一つ。ドローンは今後、いろいろな産業分野で活用が拡大してニューノーマル社会を支える新たなツールになるとして期待が高まっている。
産業機器関連では、デジタル時代のファクトリーオートメーション、スマートファクトリーをサポートする、高性能センサーや通信デバイス、光学式デバイスなどが広く紹介される。
本格的なIoT社会の到来を見据え、さまざまな業界向けのIoTソリューションの提案にも力が注がれる。IoTの普及拡大により、多様なモノが相互につながる高効率で快適なデジタルネットワーク社会が到来し、人々の暮らしを大きく変革することが期待されている。
電子部品各社のブースでも、部品単体の紹介のみならず、各種業界でのIoT活用まで踏み込んだソリューション提案を行う企業が目立つ。
さらに、ウィズコロナやアフターコロナによるニューノーマル時代のニーズを反映し、「非接触」「遠隔コミュニケーション」をテーマとしたデバイスやソリューション提案も目白押しとなっている。各社のブースでは、タッチレス操作パネルや遠隔操作用デバイス/システムなどの最新製品・技術が広く紹介される。
Society5.0エリア
Society5.0エリアでは、Society5.0時代の新たな社会インフラとなる技術やサービス、企業・団体・自治体の取り組みを紹介。「カーボンニュートラル」「スーパーシティ/スマートシティ」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の三つのテーマの下で展開される。
Co-Creation PARK
Co-Creation PARKは、設立9年以下(2020年10月以降に設立)のスタートアップ企業や研究成果の社会実装を目指す大学・教育機関を出展対象とするスタートアップ&ユニバーシティゾーン。
国内外から新進気鋭のスタートアップ企業などが多数出展し、製品や各種ソリューションを披露する。今年が初出展のスタートアップも多い。海外諸機関によるグローバルエリアも展開される。
日本貿易振興機構(ジェトロ)は今年もCo-Creation PARKで、国境を越えたイノベーションを促進する一環として、18カ国・地域45社の社会課題解決型スタートアップで構成される「JETRO Global Connection」を設置し、オンライン商談会を実施する。「世界のスタートアップと共に創る日本の未来」をキャッチフレーズに、日本企業・自治体と海外スタートアップの協業連携(オープンイノベーション)、日本が抱える社会課題の解決およびSDGs達成への貢献を目指す。