2019.11.27 【IIFES2019特集】「SCF/計測展TOKYO」融合、日本の最新ものづくり発信
前回(17年)の「SCF」
「IIFES2019」が今日27日、東京ビッグサイトで開幕する。主催は日本電機工業会(JEMA)、日本電気制御機器工業会(NECA)、日本電気計測器工業会(JEMIMA)の3団体。
これまでの「SCF(システムコントロールフェア)」と「計測展TOKYO」が融合一体化し、名称も一新した展示会として初めての開催となる。「日本発、MONODZUKURIが世界を加速する。」をキャッチフレーズに、「オートメーションと計測の先端技術総合展」として出展約300社が最先端技術、製品を発信する。会期は29日まで。
これまでの「SCF」は隔年、「計測展」は東京と大阪交互に毎年開催され、13、15、17年は同一会場同時開催とし、コンセプトも「オートメーションと計測の先端技術が集う」で統一した。
SCFは17年で第19回を数えた。人と環境に配慮しつつ、安全・安心を創造する最適な制御システム、ソフトウエア、コンポーネントを一堂に集めて、自動車生産など産業の未来に向けた最先端の技術、製品を紹介。IoT、M2Mのセキュリティ、イノベーションなどの最新情報を発信した。
計測展は95年に第1回を開催して以来、一貫して日本の産業を支える「計測と制御」の最新情報を提供する場として重要な役割を担ってきた。17年で回を数えた。FA、PA(プロセスオートメーション)用計測制御機器、環境計測器をはじめ計測、制御に関わる省エネ・新エネルギーに関するソリューションなどを紹介した。
「MONODZUKURI」の潮流
日本の製造業を取り巻く環境は、少子高齢化に伴う人材不足、熟練技術者不足、国内外の拠点での人件費高騰などますます厳しくなっている。そのためにIoT、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボット、5Gで代表されるデジタル新技術を積極的に活用する「MONODZUKURI」が大きな潮流になっている。
主催者の発信するメッセージ性を含め、電機・計測産業を核とする産業界の最先端技術・情報が集う場として、また多様化する社会環境に適したMONODZUKURIをグローバルに情報発信する、さらに進化した展示会として「IIFES(アイアイフェス)2019」に名称を変更、新たな展示会として開催するに至った。日米独の「世界ものづくりファーラム」などセミナー、フォーラムも企画している。
3つのテーマ
IIFES2019は、出展各社の技術・製品展示のほか、「MONODZUKURI」「人材」「グローバル」の3テーマで特別企画により様々なイベントが催される。
MONODZUKURIは、300社に迫る出展者による最新技術の展示、出展者セミナーのほか、Keynoteセッションや主催3工業会連携企画パネルディスカッションを実施し、これからの「ものづくり」を提言する。
「人材」は、様々な業界が抱える人材の問題をより広い視点で考え、また、未来のものづくりを担う学生を支援する「学生応援企画」を実施する。「グローバル」は、Keynoteセッションや世界ものづくりフォーラムを通して、日本のものづくりが、世界の製造業の中でさらに進化するためのキーワードを提示する。
「Connected Industries」
「主催者特別展示」の「Connected Industriesの現状と未来」では、複数のものづくり現場をつなぐことで新たな価値創造を目指す「Connected Industries」の現状のユースケースを紹介するとともに、その先につながる近未来を予測する。
ユースケースは、バリューチェーンにおける「サプライヤ」「工場」「物流」に焦点を当てたテーマで、動画とパネル展示で紹介する。
「主催3工業会が描く未来像」として、「電機・計測業界が描くMONODZUKURIの未来像と5Gの可能性」をテーマに、パネルディスカッション(27日12時30分-2時、会議棟1階・レセプションホールB)を行う。各工業会の委員会における具体的な検討内容を紹介するとともに、「ローカル5G」の登場で期待が高まる5Gの可能性も交えMONODZUKURIの今後の展望について議論する。
アトリウムのパネル展示では、パネルディスカッションの内容を含め、各工業会の最新の活動状況を紹介する。「中堅・中小製造業IoTパーク」では、日本の製造業を支えている中堅・中小製造業のさらなる「ものづくり」の進化を目指し、IoTを活用できるユースケースを紹介する。
「IoTデバイス」「プラットフォーム」「AI」の3カテゴリで、ユニークな事例を持つ11社が出展。隣接するアトリウムステージでは毎日、出展者から事例を紹介するプレゼンテーションを行う。出展企業はアムニモ、IoT.kyoto(KYOSO)、エイシング、クラウドエース、グローセル、信和産業、ビジネスエンジニアリング、日本プリメックス、日立産業制御ソリューションズ、武州工業、MAGLAB。
FA関連ネットワーク一堂に
「オープンネットワークゾーン」(西2ホール)では、産業用ネットワークの11団体が一堂に会し、最新の機器・技術動向・サービスを紹介する。同ゾーン内特設シアター会場では毎日、産業用ネットワークを分かりやすく解説するセミナーを行う。
オープンネットワークゾーン出展者はIO-LINKコミュニティジャパン、ISA100 Wireless Compliance Institute、FDTグループ日本支部、ODVA、ORiN協議会、CC-Link協会、日本電機工業会ネットワーク推進特別委員会、日本AS-i協会、日本フィールドコムグループ、日本プロフィバス協会、MECHATROLINK協会。
このほか「学生向け業界研究企画」として、セミナー/ツアー/交流会が通しで予定されている。「大学・高専テクニカルアカデミー」(計測自動制御学会企画協力)は、大学・高専と産業界の交流の場として、全国の大学・高専の研究室が参加し、展示・プレゼンテーションを行う。
22研究室が参加し、FAと計測・制御技術をメインに、さらに関連するIoT・AI・ロボットなどのテーマで発表する。最終日にはアトリウムステージにて優れた研究室を表彰する。
【IIFES2019 特集】目次
●「SCF/計測展TOKYO」融合、日本の最新ものづくり発信
●スマートファクトリーへの関心高まる
●アズビル ものづくり自律化システムなど4つのゾーンで展示
●東芝インフラシステムズ コントローラと産業用コンピュータ融合の「Vmシリーズ」を参考出品
●横河電機グループ DXでつないでつくるテーマに顧客の課題解決を提案
●エヌエフ回路設計ブロック 業界最速インピーダンスアナライザ出展
●HIOKI 非接触で検出可能なCANセンサー展示
●NKKスイッチズ 耐振動・耐衝撃性優れる小型非常停止用押ボタンスイッチ
●七星科学研究所 充実のUSB2.0防水コネクタ
●サトーパーツ スクリューレス端子台など訴求
●東亜ディーケーケー 幅広いニーズ対応の水質計測器
●図研エルミック 工場のスマート化ソリューションなど提案