2021.11.17 【InterBEE特集】ミハル通信8K HEVCエンコーダー/デコーダー「ELL8K」使用の8K映像掛け合いデモ
8K HEVCエンコーダー/デコーダー「ELL8K」
ミハル通信は、現在開発している8K HEVCエンコーダー/デコーダー「ELL(エル)8K」を使い、同社ブースと東京都内の特設会場を公衆回線で接続し、8K映像の掛け合い伝送デモを実施する。
同社は2018年から8K HEVCエンコーダーの開発に取り組んできた。8K内視鏡手術映像の配信や情報通信研究機構のさっぽろ雪まつり8K映像伝送実験など、さまざまな実証実験に参加し、その性能が高く評価されている。
現在開発を進めているELL8Kは、コーデック間では約30ミリ秒の超低遅延伝送を実現。これにより、8K映像は容量が大きいために公衆回線での伝送は難しいという問題を、ELL8Kであれば解決できることを訴求していく。
会場での伝送デモでは、ブース内の8Kカメラの映像をELL8Kでエンコードし、公衆回線を経由して約50キロメートル離れた都内特設会場へと伝送し、デコードした8K映像を8Kプロジェクターに映す。また、都内特設会場から幕張メッセ側に向けても同様の映像伝送を行う。
卵の形をしたイス型スピーカーもブース内にデモ展示する。イス内部にある24個のスピーカーにより、22.2chの高品質なサウンドを映像と一緒に体験できる。
今回は8K映像とともに多チャンネルでの音声も超低遅延の双方向伝送が行えることをアピールする。
ELL8Kにより、高精細な8Kライブ映像を超低遅延でエンコードできるため、ライブ会場に居なくても、自宅のホームシアターなどでリアルタイムに近い8Kライブ映像を楽しむことが可能になる。
一方で、ELL8Kを使った8K映像伝送システムはエンコーダーとデコーダーの間をIPネットワークでつないでいる。このIP部分を第5世代移動通信規格5Gやローカル5Gを使えば無線伝送も可能になる。
同社は5Gを使った映像伝送にも取り組んでおり、既に5Gでの実証実験にも成功している。
昨年12月、秋田テレビおよびNTTドコモ東北支社と、5Gによる放送局・中継局間を想定した映像・音声・データの伝送に関する実証実験を実施した。今年2月には東芝インフラシステムズ、ケーブルメディアワイワイ(宮崎県延岡市)とともに、ローカル5Gミリ波による8Kライブ伝送実証実験、7月には京セラの協力で商用5G網を利用した実証実験など、5Gを用いた8Kライブ伝送実証実験を積極的に行っている。
同社は、ELL8Kを使うことで、5Gなどの公衆回線を使っても超低遅延で8K映像伝送を実現することを訴求し、今後はエンターテインメントをはじめ医療、交通インフラ、監視などさまざまな産業分野へ活用の幅を広げていく。