2022.01.19 【ネプコンジャパン/オートモーティブワールド特集】みどころ/事業戦略日本スペリア社
低融点無銀鉛フリーはんだ合金の「TempSave B37」
5G支えるはんだ接合材料紹介
日本スペリア社は、低融点無銀鉛フリーはんだ合金の「TempSave B37」やこて先食われ抑制無銀鉛フリーやに入りはんだの「TipSave N」などを出展する。
ラップトップなどのモバイル機器やウエアラブル製品に搭載されるプリント基板は薄型化が進む。基板が薄いため、従来の鉛フリーはんだで実装すると熱により基盤に反りが生じる。この現象を抑えるため、現在は主にSn-Bi組成の低温はんだが用いられているが、Sn-Biはんだは衝撃に弱い欠点を有する。
出展する低融点無銀鉛フリーはんだTempSave B37の融点は、139~174度で、200度以下での低温実装が可能。組成の改良により、低温ではんだ付けができ、かつ耐衝撃性に優れた特性を有している。モバイル機器のように落下リスクの高い製品にはうってつけの接合材であり、市場評価も高い。実装温度が下がるため、はんだ付け時の電気使用量を従来比20~30%抑える効果も見込まれる(脱炭素を支援)。
こて先食われ対策やに入りはんだTipSave Nは、鉛フリーはんだによるこて先食われの抑制効果を3倍高めた新合金。
鉛フリーはんだを使用すると、はんだごての「こて先」に食われが生じる。一般的な鉛フリーはんだSAC305と比較すると、こて先寿命は3倍長持ちする。溶融性が良く、はんだ付け品質を犠牲にすることなく、こて先の交換コスト、こて先の交換による作業時間のロスを削減する効果が得られる。
展示会場では19日の午後3時30分から午後5時まで特別講演として同社の西村哲郎社長が「5G、CASEなど新技術で求められるはんだとは」をテーマに登壇。第5世代移動通信規格・5Gを支えるはんだ接合材料と接合技術の開発について、長年の研究で得た知見と、最新のデータを紹介する。