2022.01.21 富士通が企業の事業継続を支援統合コミュニケーションサービス登場

ビジネスチャットの画面イメージ

 新型コロナウイルスの変異株オミクロン株の感染急拡大で企業の事業継続が困難になるケースが想定される中、富士通は、従業員の安否確認やテレワークでの健康状況の把握などを一つのツールで行える新たなサービスを開発し、提供を始めた。従業員は個人のスマートフォンで緊急時の安否や取引先の被災状況を確認できるほか、日々の業務の進ちょくや健康状態を報告でき、企業の事業継続を支援する。

安否確認から会話まで幅広く

 新たに開発したのは「統合コミュニケーションサービスalwaive(オールウェイブ)」。同サービスで扱うデータ通信は暗号化され、国内のデータセンターに保管されるため、チャットのメッセージや電話帳のデータは一切端末に保管されないのが特徴。端末にデータを残さない仕組みのBYOD(私物デバイスの業務利用)により、使い慣れた個人所有のスマホを活用。企業側は社用端末を配布するコストを削減できる。

安否確認の通知と状況一覧のイメージ

 災害発生時には、気象庁からの災害情報を基に、安否確認の通知をチャット上に自動送信。従業員はスマホで安否状況を回答し、回答結果は一覧表に自動集計される。システム管理者は、専用のURLにアクセスすれば全従業員の安否状況や出社可否を確認できる。

 取引先の調達部門担当者などのメールアドレスを事前に登録しておくと、災害時に被災状況の確認メールを速やかに送信し、自社に納入する物資の納品可否についての回答を受け取ることも可能だ。

 平時には、コミュニケーションツールとしてビジネスチャットや、インターネット回線を使うIP電話を活用し、テレワーク環境にも対応。日ごろの健康状態の確認やその日の出勤状態などをアンケート回答形式で報告する機能で、日々のコミュニケーションから従業員の健康状態も確認できる。

 富士通は2023年度末までに、130ユーザーへの導入を目指す。

 新型コロナウイルス感染拡大や自然災害の激甚化により、災害発生時の事業継続に向けた対策が急務となっている。一方で、テレワークの急速に普及により、これまで対面で行っていた従業員の健康状態や勤務状況の把握が難しくなる中、従業員との円滑なコミュニケーションツールの導入を検討する企業にとって、全従業員に社用端末を支給するにはコスト面などが課題となっている。