2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 エレクトロニクス商社の中国営業戦略伯東

近藤 中華圏統括部長

中華圏4社で既存深耕と新規事業

 エレクトロニクス商社・伯東の中国事業は、全社売り上げの約20%を占める重要な役割を果たしている。中国、アジアの事業エリア区分を「中華圏」「ASEAN圏」に2021年4月再編した。中華圏は伯東上海が華東、華北を担当エリアとし、上海のほか北京、大連にも営業拠点を設置。伯東香港は香港と深圳に本拠を構え、中国側は広州、厦門、武漢、成都にサービス拠点を開設し、伯東台湾を加えて域内一気通貫の営業体制とした。

 近藤聡中華圏統括部長兼伯東上海総経理は「伯東グループは21年度から24年度を最終とする中期経営計画を策定し、中華圏も昨年10月から施策をスタートした。域内4社の枠を超えた連携により、既存ビジネスの深耕を図るとともに新規ビジネスの開拓に取り組む」と述べる。

 同社の中国ビジネスは半導体、電子部品と、生産設備など電子・電気機器が主になる。近藤統括部長は「21年度は中国の製造業は輸出、EV、半導体など好調に推移し、当社も売り上げを伸ばすことができた。半導体・電子部品、部材不足が続き、またコロナ感染も地域によっては再拡大しているが、現在の好況感は22年度も継続するだろう」とみる。半導体や電子部品の取り扱いが約6割を占め、日系企業からの需要が高く、インフォテインメント、メーター周辺、ECUなどEV向けが多い。電子・電気機器は中国ローカル企業が中心で、半導体製造向けの真空ポンプなどが好調。中国商材の開拓にも力を入れ、光通信トランシーバー関連、化合物半導体材料など既に日本向けに調達している商材もある。近藤統括部長は「タイなどで既に取り扱っている工場排水処理システムなど、中国の環境関連やカーボンニュートラルに貢献できる商材の販売を強化する。当社は業界の中でも中国市場に早くから取り組んできたので、中国に根付いた事業ができる強みを発揮して拡大したい」と述べている。