2022.06.08 【ITサポートサービス特集】OKIクロステックHA保守サービス領域拡充、ATMのノウハウ活用
毛利 専務
OKIクロステックは、OKIグループの製品保守に加え、医療機器やエネルギーなどの新領域のサポートを強化してきた。今年度はATM(現金自動預払機)保守運用ノウハウを生かしたハイアベイラビリティー(HA=高可用性)保守サービスの領域を広げていく。毛利誠二・専務執行役員サポートサービス事業本部長は「医療機器の保守対応の幅を広げるとともにHAを加速させたい」と話す。
音声ネットワークの施工保守、電気工事などを手掛ける沖ウィンテックとATMやサーバーなどの保守運用を手掛ける沖電気カスタマアドテックを統合した同社は、設備工事の領域からIT関連機器、メカトロニクス機器の保守運用までワンストップで支援してきている。
全国200拠点約3200人のスタッフ(うち約1200のカスタマーエンジニア=CE)による24時間365日のサポート体制が特徴で2020年度から「医療」「エネルギー」「ロボット」の3分野を重点的に取り組む。
他社に先駆けて支援する医療分野は画像診断や計測、光学機器など全国約80カ所でのサポート体制を整え、医療機器修理責任技術者は約280人体制になった。この1年で、治療用・施設用機器関連、歯科用機器関連、検体検査用機器関連の修理区分の資格取得を強化している。
現在はホームページでの情報発信にも注力し、医療機器関連は外資系などの新規問い合わせも増えてきた。毛利専務は「対応できる修理区分を増やし幅広い要望に応えられるようにしていく」と話す。さらにこの1年は、マイナンバーカードの健康保険証利用に伴うカードリーダーの設置案件も増加。病院やクリニック、薬局などの要望に合わせた設置対応を進めていく計画だ。
エネルギーはBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)の構築をはじめ、太陽光発電システムや蓄電池の保守運用ノウハウを持つ。これまで中心だったエネルギー管理などの構築と保守から、電力の需給調整システムの領域を強化する。この領域は電力会社との協業も進め、今後は保守サポートの領域も含め支援していく。
今年度はHAサービスを強化する。サービスは受け付けから遠隔による監視、運用、CEが駆け付けるオンサイト保守までをワンストップで行う。
サービスの停止が許されないATMの遠隔運用のノウハウを転用する。ATMは既に数万台規模で監視し、現金処理機は約1000台の運用実績がある。ネットワークに接続しているPBXも約1000台規模で監視運用している。
毛利専務は「券売機やキオスク端末などの領域に広げていき、予防保守につなげたい」と話す。医療機器関連も画像診断などネットワーク接続できる機器はHAサービス化する計画だ。
CEなどを支援するシステムも強化する。これまでスマートフォンを活用した作業工程の進捗(しんちょく)管理などを進めてきたが、今後はタブレットに切り替え、作業報告の電子化を進めていく。
この1年で遠隔監視のインシデント(事故前の事象)の警報精度を高めた。これにより重要な故障や障害をより効果的に見つけられるようにした。今後さらに精度を上げサービス品質を高めていく。