2023.06.01 【電波の日特集】無線局数、1年で1800万局増 デジタル化進展が要因 技適マーク確認など販売に注意

令和5年度の電波利用環境保護周知啓発用ポスター、リーフレットの表紙

 電波はさまざまな環境で利用されている。周波数で割り当てが決まっており、免許申請や登録が必要なものもある。特に重要な社会インフラになっているものとして、消防無線や救急無線、航空無線など人命に関わるものもある。申請や登録が必要な無線局もあり、用途も多彩だ。

 これらを電波干渉なく効果的に活用していくには、正しい設置と運用が不可欠になってくる。利用する側だけでなく機器を販売する側にも十分な注意が求められる。

業務用が大半

 基本的に申請や登録が必要な無線は出力が大きく、通信エリアが広いものだ。無線局数は3月末時点で約3億600万局を超えており、この一年で約1800万局増加した。大半が業務で使うものだが、アマチュア無線などもある。

 業務用無線には、特定小電力無線、簡易無線、小エリア通信システム、一般業務用無線、MCA無線などがある。

 特定小電力無線は、通信エリアが狭いため免許申請などは必要なく、家電量販店などでも売り場が充実している。簡易無線もデジタル化が進み、製品群が増えた。

 無線を使った機器で最も身近なものはスマートフォンなどの携帯電話や、テレビ、ラジオだろう。最近はワイヤレスイヤホンやスマートウオッチなどスマホと無線接続する機器も増えている。私たちの生活の周りで使う無線機器は、申請や登録なく使えるものがほとんどだ。

 現在、国内で販売されている無線機器の大半には技術基準適合証明(技適)などのマークが付いている。ただ、最近は海外製品を通信販売で購入できるようになっていることから、一部で免許を受けられなかったり、違法な機器が手に入ってしまうケースもある。使う側も販売する側も注意が必要だ。

ポスターなどで啓発

 総務省総合通信基盤局は「みんな知ってる? 電波の不正利用は犯罪なんだよ!」と題したポスター、リーフレットを作製。①無線機器を使用する際は「技適マーク」の確認を②外国規格の無線機器にはご注意を③電波の利用には原則、免許が必要です-と、電波の三つのルールについて注意を喚起する。

 不法無線局を開設または運用した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金、不法電波で重要な無線通信を妨害した場合には5年以下の懲役または250万円以下の罰金が科される。総務省はホームページやリーフレットなどを通じて啓発活動を行い、正しい電波利用を促している。