2023.09.29 デジタルラボ研究会が発足 「実験室のシステム化」で研究力の底上げ目指す

東工大で開かれた「第1回デジタルラボ研究会」

 実験室のデジタル化を目指す「デジタルラボ研究会」(委員長=一杉太郎東京大学教授、東京工業大学特任教授)が発足した。

 薄膜物質を合成する装置や計測分析装置を相互に接続して実験室自体をシステム化するのが狙い。日本の研究力の底上げを図る。

 29日に東京工業大学すずかけ台キャンパス(横浜市緑区)で第1回研究会が開かれた。

 一杉教授は、ここ半年の間に世界の研究機関や企業でラボのデジタル化に関する投資拡大の動きが急激に活発化したと報告。「このままでは日本のマテリアル産業は取り残される」と強い危機感を示した。

 その上で、「企業単独では勝てない」と強調。多くの分析装置やロボットメーカーが協調して、機械学習を組み合わせることで自律的に実験を行って大量のデータを生成するシステムが求められると強調した。

 参加者からは生成AI(人工知能)を活用してロボットのプログラムを自動化する取り組みなど、デジタルラボ発展の可能性を巡って活発な意見が交わされた。

 研究会では今後、資金などで協力できる幹事会社を募って協働ラボを立ち上げる予定。人材育成にも力を入れる。数年内にデジタルラボを先端的研究に投入したい考えだ。

(後日、電波新聞/電波デジタルで詳報します)