2023.10.30 【半導体製造装置特集】TOWA

生成AI向け高機能AI半導体パッケージ(チップレット製品)対応モールディング装置「YPM1250ーEPQ」

生成AI半導体対応
モールディング装置を開発

 TOWAは、産業社会が求める技術開発を根幹に、クオーター・リードに徹した新製品・新商品を開発し、販売している。

 世界ナンバーワンの半導体モールド(樹脂封止)装置では、業界初の生成AI(人工知能)向け、高機能AI向け半導体(チップレット製品)に対応したモールディング装置「YPM1250-EPQ」を開発し、9月に受注を開始した。

 新たに開発したモールディング技術「レジンフローコントロール方式」を採用。従来技術では難しかった生成AI向けや高機能AI向け半導体のようなチップサイズが大きいチップレット(2.5Dおよび3Dパッケージ手法)製品に対応。大型プレスが使え、大容量樹脂を高精度でコントロールでき、従来機種と比べ最大3倍の生産性向上を実現した。

 生成AI向け半導体などのチップレット製品で必ず使用される超高帯域メモリー(HBM)で求められる高い樹脂充填技術に対応して導入が進む独自のコンプレッション方式モールディング装置「CPM1080」と合わせてチップレット製品のモールディング需要に応える。

 これまで人手で定期的に行っていたモールド後の半導体を切断するシンギュレーション装置の切断用のハブレスブレードの交換から、砥石(といし)を使いブレードの切れ味を維持するドレッシングまでの一連の作業を業界で初めて自動化した「FMS4040」を開発し、5月から受注を開始した。関連作業に伴う装置停止時間を短縮でき、およそ10%稼働率を向上。省人化が図れ、作業のばらつきやミスもなくなり、安定した品質を維持できる。

 また、装置内部の機構を見直し、既存機種と比べて装置稼動の水使用量を40%(年間約8400トン/1台)、電気使用量も15%(同13160kW/1台)削減した。顧客の負担するランニングコストの削減、CO₂排出量削減に寄与する。