2020.03.13 新型コロナ対策、ITで業務継続を支援 学習コンテンツ提供も

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、在宅勤務の支援サービスを発表したサイボウズの青野社長

「kintone」で集約している情報(提供=サイボウズ)「kintone」で集約している情報(提供=サイボウズ)

 新型コロナウイルスによる感染拡大を受け、ITを活用して企業の業務継続などを後押しする動きが広がっている。

 サイボウズなどのソフトウエア開発各社は在宅勤務や遠隔会議の支援に相次いで着手。集合研修の開催が難しくなった企業の要望に応えて、eラーニングシステムのサービスを無償提供する情報サービス会社も現れた。

 「リモートワーク(在宅勤務)を行えずに事業が止まったら、働く側も顧客も困る。そこを緊急で支援したかった」。サイボウズの青野慶久社長は、在宅勤務をクラウドサービスで支援する狙いをこう述べた。

 サービスはサイボウズ中国から、5月末まで提供。社内の情報共有を効率化するグループウエア「Garoon(ガルーン)」のほか、自社の業務に必要なシステムを簡単に作成できる「kintone(キントーン)」などを用意した。対象は中国全土または香港の新規顧客で、日系かローカル企業かは問わない。

 東日本大震災以降、企業では巨大地震や津波に対応した事業継続計画(BCP)の導入機運が高まった。出退勤時の感染リスクを回避する新型コロナ対策について青野社長は「BCPの観点から在宅勤務の利点と難しさを把握する『学びの場』になる」とも力説した。

 既にITなどを駆使して災害対策を支援するプログラムも展開。その活動に応募した神奈川県にキントーンの無償提供を始めたと発表した。感染対策に関する様々な情報を集約する基盤として届けるという。

 富士ソフトも感染対策の一環で、紙資料を使わないペーパーレス会議を実現するシステム「moreNOTE(モアノート)」を無償提供。在宅勤務する複数の従業員がクラウド上に保存された資料をモアノートで共有し、遠隔会議を行えるようにする。

 在宅勤務者は、セキュリティを確保しながらファイルを受け渡すことも可能だ。主な対象は国内企業で、登録日から3カ月間利用できる。

 反応は上々で、「テレワークによる在宅勤務を導入しようとする企業からの問い合わせが増えている」(広報担当)という。

 新型コロナウイルスの影響で多くの企業が集合研修の延期や中止に追い込まれる中、東芝デジタルソリューションズも研修業務の支援に立ち上がった。インターネットによる遠隔教育「eラーニング」のクラウドサービスを、6月末まで無償提供する計画だ。

 一方、富士通ラーニングメディアは12日、感染予防の一環で全国の小中高校が臨時休校の措置を取る中、学習コンテンツを無償提供すると発表した。

 臨時休校期間中の学習支援ツールとして用意したもので、対象は中学生以下。児童らは自宅でPCに向き合い、動画を視聴しながらプログラミングを学べる。4月から小学校で必修化されるプログラミング授業の備えとしても活用できるという。