2020.03.30 【クラウドサービス特集】日本システムウエア 統合運用監視サービスにAI

 日本システムウエア(NSW)は、自社のデータセンター網と創業以来、約50年にわたってシステム運用支援をしてきたノウハウを組み合わせて、統合運用監視サービスにAI(人工知能)を組み込むことで、様々な運用業務を自動化するサービスの提案を本格化している。

 クラウドサービスをはじめ、AIやIoT、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など、様々なデジタル技術の活用を目指す企業が増える中、煩雑になりがちな運用業務を自動化することで、コスト削減と人材不足の解消、運用品質の向上、働き方改革などの課題を解決できるようになる。

 同社が提案するのは、AIを使って運用を自動化するAIOps(エーアイオプス)の仕組みを活用して企業のデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)を支援するもの。

 サービスソリューション事業本部クラウドサービス事業部クラウドファウンデーション部・小林宏充副部長は「DXを実現するサービスとして、訴求している」と話す。

 自社データセンター網を活用した24時間365日のサービスと3万件のナレッジ(知見)を持つ統合運用監視サービス「Managent(マネージェント)」にAIを組み合わせたAIOpsサービス「マネージェント・オートメーション」は従来、運用管理者が判断してきた運用業務の一部をAIで自動化する。

 これにより、例えば自動で問い合わせに回答できるようになるほか、システム障害などに対して自動で復旧処理もできる。障害予兆検知なども可能だ。小林副部長は「DXの観点から、自動応答や運用自動化に対する引き合いが多くなっている」という。

 現在のサービスメニューは自動音声回答をはじめ、運用業務自動化やチャットボット、構成管理自動化、セキュリティ運用監視サービス、サーバーアラート監視など8種を用意している。

 同社のサービス基盤に、パートナー企業のツール群を組み合わせることで、企業が抱える様々な自動化に対する課題を解決できるようにしている。

 「ツールの提供ではなく企業などが抱えている課題に対して、最適なソリューションを組み合わせて支援できる」(小林副部長)ことが特徴だ。

 19年秋から本格的にサービス展開を始め、既に100件以上の引き合いが来ている。導入事例も増えて、15件の実績があるという。

 障害予兆検知やRPAなども組み合わせた運用自動化、ヘルプデスクの自動化といった事例もある。ヘルプデスク自動化の場合は、月10万円から利用できて、導入もしやすい。

 サービスメニューは順次拡充しており、今年度中に3、4メニュー増える予定だ。AIOpsを実現するアセスメントも20万円から行う。小林副部長は「DXを検討する企業などに向け、提案していく」と述べている。