2024.02.29 ゴキブリ退治の“ごきげん”ライト ホタルクスが4年かけ開発

ゴキブリが減って“ご機嫌”になれるかもしれない「ゴキ減用(げんよう)ライト」。側面のすき間からゴキブリが入り込む構造だ

「ゴキ減用ライト」の内部構造「ゴキ減用ライト」の内部構造

 「ゴキ減用(げんよう)ライト」でゴキブリ退治――。ホタルクスが29日に発売した紫外線(UV)LED搭載の殺虫器「ゴキ減用ライト」は、飲食店やビルなどに発生するチャバネゴキブリを撃退するものだ。アース製薬の「ごきぶりホイホイ」と同程度のサイズと使い勝手で、繁殖能力の高い“難敵”、チャバネゴキブリを撃退してくれる。害虫駆除のシー・アイ・シー(東京都台東区)と共同開発したもので、殺虫器2台1セットで、税別7万円程度で売り出した。

 着想から4年近くをかけて開発したUV―LED搭載の「ゴキ減用ライト」は、厨房機器や食器棚など、ゴキブリ駆除用薬剤や人の手などが届きにくいすき間に設置して使う。平置きで約15センチメートルの横幅、高さも3.5センチメートル程度と小型だ。厨房機器商社のエム・アイ・ケー(さいたま市中央区)が主な客層と想定する飲食店などに販売していく。

 屋内の狭く暖かいところを好むチャバネゴキブリは、わずか半年の間にメス1匹当たり320匹ほどに繁殖する能力を持つ。薬剤で駆除するのが一般的だが、薬剤への耐性が強いため、駆除しきるのは難しい。チャバネゴキブリが住み着いているような場所に「ゴキ減用ライト」を設置することで、全体数を減らすことを狙う。24時間365日紫外線を照射し続ける想定であるため、LED減衰と紫外線による本体劣化を加味し、寿命は2年間。LED側を下にしなければ、縦置きなども可能だ。

 開発当初はオスに対して100%である半面、メスは約70%といった殺虫率だった。しかし、ゴキブリが好む特殊構造を開発することでオスは平均14日、メスは同28日で100%殺虫できるようにした。

 LEDの熱で温度が高くなり過ぎるとチャバネゴキブリが寄り付かない。そのため、ヒートシンクによる放熱構造や小型化など「ほどよい暖かさ」でチャバネゴキブリを引き寄せ、駆除する製品に仕上げている。

 「ゴキ減用ライト」でチャバネゴキブリが減れば、飲食店も「ご機嫌」になれるかもしれない。

(1日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)