2024.03.27 【関西エレクトロニクス産業特集】ロボティクス 飲食店などで導入が活発化 配膳・下膳で活躍 京都で実証実験
京都市内のセルフカフェレストラン「GOCONC」でのロボットによるセルフ配膳・下膳実証実験の様子
ロボットの各産業で社会実装が進む中、飲食店、カフェなどでも配膳、下膳にロボットを導入する動きが活発になっている。
22、23の両日も、ロボットSIerのFUTURE(京都府精華町)と京都府が京都市下京区のセルフカフェレストラン「GOCONC」で、来店客自身がロボットを操作するセルフ配膳・下膳実証実験を行った。店舗側がロボットを操作するのではなく、来店客がロボットを操作する試みだ。
実証実験では、来店客がレジで注文した料理や飲み物を店舗スタッフが準備して自律搬送ロボットのトレーに載せ、ロボットのディスプレー画面のテーブル番号を押してロボットを注文客が座るテーブルまで自律走行させて配膳する。来店客はロボットのトレーから料理や飲み物を受け取り、ロボットのディスプレーに表示されたOKボタンを押して、ロボットを自律走行させて調理場まで戻す。
下膳の際は、来店客がテーブルにあるロボット用ボタンスイッチを押してロボットを自席テーブルまで呼び、ロボットのトレーに食器やコップを載せ、ディスプレーのOKボタンを押して、ロボットを自律走行で調理場まで戻す。
来店客が配膳・下膳を行うセルフカフェレストランのため、子ども連れや車イスの利用客のほか、健常者の利用客にも好評だった。同店では配膳・下膳ロボットの導入を検討したいと話していた。
京都府は、障がい者などの社会参画を支援するロボット共生カフェの実証実験も行っている。
昨年2月、障がい者就労支援団体NPO法人「京都フォーライフ」(京都府久御山町)が運営する宇治市内のカフェで実施した第3回目の実証実験では、自律移動ロボットメーカーのKeigan(京都府精華町)、AIロボットメーカーのハタプロ(京都市下京区)と連携。外出や対面コミュニケーションが困難な宇治市在住の障がい者が自宅から配膳・接客ロボットに搭載されたカメラ画像を見ながらフットスイッチを操作して配膳・接客ロボットを遠隔走行させ、厨房から客席に配膳した。
実証実験の結果から、京都府および連携企業は配膳・接客ロボットを操作者のアバターロボットとして遠隔操作することで、障がい者などに社会参画する機会を提供できる手応えを得ている。