2024.04.07 どうして「白物」って呼ばれるの? 新生活に必要な白物家電の今

白物家電の市場規模の推移

 家事の負担を大幅に軽減してくれる白物家電。この春から新生活を始めることになった新入社員の方々で、冷蔵庫や洗濯機、掃除機などを買いそろえた人も少なくないでしょう。電気代が高くなったこともあり、その省エネ性にも最近では注目が集まっています。技術が進化する一方で、白物家電の最新事情は意外と分かりづらいもの。そこで、家電業界に精通した記者が新入社員の素朴な疑問に答えていきます。

 新入社員 どうして「白物家電」と呼ばれているのですか。

 記者 白物家電の名称は、インテリアに馴染みやすい清潔感のある白色の製品が主流だったことに由来します。ルームエアコンや冷蔵庫、洗濯機などは今でも白色の製品が多いですが、最近では、デザイン性の高い黒やカラフルな製品も増えてきました。ライフスタイルの多様化に伴い、見た目の魅力も重視されるようになっています。

 新入社員 日本だとどこの家庭にもありそうな製品ばかりですね。

 記者 エアコンや冷蔵庫、洗濯機、掃除機などの主要な白物家電は、現代の生活に欠かせない存在になっています。日本では普及率が9割を超える製品も多いです。共働きや高齢の世帯が増える中、家事の負担を軽減する役割は変わらず、むしろ重要度が高まっているといえるでしょう。

新生活に欠かせない白物家電

 新入社員 生活スタイルの変化に合わせて進化し続けているんですね。

 記者 その通りです。技術も進化しています。その1つが、IoT(モノのインターネット)化です。

 新入社員 白物家電がIoT化するとどうなりますか。

 記者 エアコンや冷蔵庫などがインターネットにつながりクラウドサービスと連携することで、家から遠く離れた外出先から遠隔操作できたり、買った後に機能をアップデートしたりすることが可能になります。

 これまでの白物家電は、買った後に機能が追加されたり、進化したりすることはありませんでしたが、IoT化した白物家電は、パソコン(PC)やスマートフォンのように、ソフトウェアのアップデートで買った後も進化し続けます。時代や社会に合わせて、ユーザーの使い勝手をグンと高めることがきるようになりました。IoT化を生かし、家の中にある他の白物家電と連携して省エネ運転する製品もあります。

 新入社員 IoT化が進むと新たな課題も出てきそうですね。

 記者 確かにIoT化には課題もあります。プライバシーの問題やセキュリティのリスクなどです。メーカー各社は、消費者の理解と信頼を得ながら、有用性と安全性のバランスを図っていく必要があります。

 新入社員 白物家電の市場って、どれぐらいの規模なんでしょうか。

 記者 白物家電メーカーが加盟する業界団体の日本電機工業会(JEMA)の統計によると、ここ数年は毎年2兆5000億円程度の出荷金額で推移しています。コロナ禍の2020年は巣ごもり需要で調理家電などが売れ、2兆6000億円を超えましたが、白物家電は普及率の高い製品ばかりであるため、需要の中心は買い替えになります。そのため、市場規模が大きく変動するケースは少なく、比較的毎年安定しています。