2024.04.26 1兆円規模相次ぐ 米大手ITが日本に投資 生成AI引き金に

グーグルは23年4月、千葉県印西市にデータセンターを開設した

米大手IT企業の日本への投資計画一覧米大手IT企業の日本への投資計画一覧

 米大手IT企業が、クラウドサービスの拡大や生成AI(人工知能)の普及に対応するため、日本で投資戦略を加速させている。グーグルは昨年4月、千葉県印西市にデータセンターを開設。オラクルも今後10年間で日本に80億ドル(1兆2000億円)以上を投資すると発表した。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、マイクロソフトもデータセンターやAIへの大幅投資を計画する。

 米大手IT企業が日本での大型投資を強化しているのは、AIの本格化に伴いデータセンターの需要が急拡大すると見ているからだ。自国のデータを自国で管理する「データ主権(ソブリン)」への対応もある。

 初来日したオラクルのサフラ・キャッツCEOは、ラーム・エマニュエル駐日米国大使も同席して行った会見で「日本経済は本格的に動き出した。トップテクノロジーに対する需要が高まる。日本の政府や産業が必要とするケーパビリティーを持つことが重要だ」と強調した。

 AWSは、日本におけるクラウドサービスの需要の高まりに対応するため、2027年までに東京と大阪のクラウドインフラに2兆2600億円を投資する。クラウドサービスの需要が高まる中、AWSは11年から22年にかけて1兆5100億円を投資し、データセンターの構築や運用・保守などインフラを整備してきた。27年までのクラウドインフラへの投資総額は約3兆7700億円になる見込みだ。

 マイクロソフトは日本国内のAIとクラウド基盤を強化するため、今後2年間で日本に約4400億円を投資する。加えて、日本社会でのAI活用の底上げを目指し、今後3年間で非正規雇用を含む300万人を対象にリスキリングの機会を提供。同社として日本初となる研究拠点を新設するほか、サイバーセキュリティー分野で日本政府との連携を強化する。