2024.05.14 「30テラ超」HDD実現へ前進 東芝が実証成功
30TB超のニアラインHDD実証に成功した
東芝デバイス&ストレージは14日、2つの異なる次世代技術で、30TBを超える3.5型ニアラインHDD(ハードディスクドライブ)の大容量化の実証に成功したと発表した。次世代磁気記録技術「熱アシスト磁気記録(HAMR)」を用いたHDDと、「マイクロ波アシスト磁気記録(MAMR)」を用いたHDDになる。
HAMRは、近接場光によりディスクを局所的に加熱して磁気記録能力を高める技術。今回、ディスク10枚を搭載し、SMR方式により32TBの実証を達成した。HAMR技術を適用したHDDのテストサンプル出荷を2025年に開始する予定だ。
MAMRは、マイクロ波で磁気記録能力を向上させる技術で、同社が世界で初めて効果を実証し、第1世代は21年に量産開始。既にCMR方式で22TBを製品化しているが、今回、ディスク11枚を搭載し、SMR方式の適用や信号処理の改善により31TBの実証を達成した。
同社は、磁気記録メディア開発を行うレゾナックと、磁気記録ヘッド開発を行うTDKと協力して技術開発を進めてきた。
クラウドサービスの普及や動画コンテンツの配信拡大、膨大なデータを活用するデータサイエンスの導入などにより、世界で生成・蓄積されるデータ量が加速度的に増加している。それに伴い、データの保管先となるデータセンターでは、より効率的なシステム構築のために、従来よりも大容量なHDDが求められている。