2024.05.14 カシオ、ハンディー端末と電子レジ事業終息へ 人員削減も
不採算領域の抜本的な改革を進め、成長領域に投資を集中する
カシオ計算機は、赤字が続いていたハンディーターミナルと電子レジスターの新規販売を停止することを決めた。ハンディーターミナルは新規製品開発も取りやめ、既存顧客へのサポートのみ対応していく。電子レジは店舗向けのクラウドサービスの提供も終息させる。
ハンディーターミナルは1984年から販売し、電子レジも長年国内で販売を伸ばしてきた。両製品はカシオのシステム事業を担う機器だが採算面で苦戦していたことから、今回、事業体質改善に向けた構造改革の一環で新規開発と販売を終えることを決めた。
ハンディーターミナルは既に新規販売は停止し、端末などを導入している企業のみの対応へ切り替えている。電子レジと店舗向けクラウドサービスも導入先と調整して事業を終息の方向に持っていく計画。具体的な終了時期は未定で、導入企業などと調整後に決める。
カシオのシステム事業は両端末のほか、人事システムなどのHRソリューションと小規模事業者向け経営支援(SMB)事業がある。24年3月期(23年4月~24年3月)のシステム事業は売上高125億円で営業利益が26億円の赤字だった。今回、赤字体質の端末関連の2事業を不採算領域として取り除くことで収益化を目指す。HR分野とSMB分野は継続する。
あわせて経営基盤の強化を目指しグループ人員の最適化を図る。全体で500人規模(国内8割、海外2割)を想定しており、26年3月期以降の固定費50億円の削減につなげていく。