2024.05.23 NECが誇る顔認証技術、大阪・関西万博に採用 手ぶらで決済、なりすまし入場も防止
顔認証決済のデモ実演では、カメラに顔を向けると数秒で支払いが完了した=23日、NEC本社(東京都港区)
来年開催される大阪・関西万博の店舗決済と入場管理に、NECの顔認証システムが採用された。同社は高精度に本人を識別する「特徴量抽出手法」を世界に先駆けて実用化。その技術は国内外の空港での本人確認にとどまらず、顔認証を共通のIDとして施設の入退場や支払い決済にも活用が広がっており、万博をきっかけに普及に弾みをつけたい考えだ。23日には東京都港区の本社で実演デモが行われ、端末に顔を向けると数秒で決済が完了するシステムがお披露目された。
万博会場の店舗では、事前にスマートフォンで支払いできる独自の電子マネー決済サービス「ミャクペ!」を登録してもらい、商品購入に現金を使わず原則キャッシュレス決済で準備を進めている。顔認証システムは、ミャクペの登録者が利用でき、キッチンカーなど一部を除く全店舗に設置された専用端末で顔認証による決済サービスを提供する。
事前にスマホで自ら撮影した顔写真のデータと決済方法を登録しておけば、対象店舗で顔認証を行うだけでスマホやカードを使用せずに手ぶらで決済できる。決済方法はミャクペやクレジットカードなどが選べる。
登録者数は、NECの顔認証提供事例として最大規模となる120万IDを想定して国内最大規模になるという。
入場管理は、会期中何度でも入場可能な「通期パス」と夏季限定の「夏パス」のチケット購入者が対象。51カ所の入場ゲートに顔認証システムを搭載し、チケットの貸し借りによるなりすまし防止につなげる。対象パスを持った人の入場時は、チケットに記載のQRコードをゲートにかざした上で、カメラによる顔認証の追加確認を行う。
NEC大阪・関西万博推進室の高橋篤史室長は「これまで小規模な実証は行ってきたがここまで大規模な顔認証システムは初めて。万博を機にソリューションとして確立していきたい」と意気込む。
(27日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)