2020.05.29 【スマートファクトリー特集】FUJI、スマートファクトリー、グローバルで推進

NXTRを中心としたFUJIスマートファクトリーのイメージ

 FUJIは、自動段取り換えなど柔軟で無駄のない生産を実現するIoT/M2Mを活用した統合生産システム「Nexim(ネクシム)」をベースにした「FUJIスマートファクトリー」をグローバル市場で推進している。

 FUJIスマートファクトリーは、生産を始める前の煩わしいスケジュール作成、部品の在庫管理・準備・配膳などを自動化し、柔軟で無駄のない生産を実現する。

 FUJIスマートファクトリーの新プラットフォームに位置付け、表面実装ラインの完全自動化を目指した次世代実装機「NXTR(ネクストアール)」を今秋から市場に投入する。

 NXTRは、表面実装工程における「3つのゼロ」(実装不良ゼロ、オペレータゼロ、機械停止ゼロ)の実現を目指して開発された。

 「実装不良ゼロ」は、新開発のセンシング技術により、実装状態をリアルタイムに監視し、電子部品と基板へのストレスコントロールを同時に行うことで、安定した高い実装品質を確保する。

 「オペレータゼロ」は、新開発のスマートローダーが、生産スケジュールに合わせて、電子部品の補給、次生産への段取り替えを完全自動化する。「機械停止ゼロ」は、自己診断機能により予知保全が可能となり、生産計画に支障を与える突然の機械停止を防ぐ。

 クリームはんだ印刷機「NXTR PM(ネクストアール ピーエム)」も市場に投入する。補給用クリームはんだカップセッティングやクリーニングペーパーが生産中に交換可能なため、高い稼働率を維持する。デュアルレーン生産にも対応しており、電子部品実装機NXTRとの組み合せで、省スペースで高効率なデュアルレーン生産ラインが実現する。

 FUJIスマートファクトリーを構成する装置群では、部品保管庫自動倉庫「sTowerⅡ」、クリームはんだ印刷機「GPX-CS」、モジュール型高速多機能装着機「NXTⅢ」、多目的多機能装着機「AIMEXⅢ」、基板検査装置(他社連携)、モジュール型自動組立装置「sFAB-D」などがある。

 モジュール型高速多機能装着機のNXTⅢは、徹底したモジュール化、ユニット化により、容易にユニット着脱、組み換え可能。生産品目、生産形態に合わせて構成を最適にできる。

 同社は工場全体の自動化、スマート化を目指し、基板検査装置など実装ラインを構成する他企業との連携もグローバルベースで広げている。

 表面実装の前工程にも事業を拡大し、半導体製造装置メーカーのファスフォードテクノロジ(FFT)の子会社化により、半導体後工程(表面実装の前工程)の次世代技術や装置開発にも取り組んでいる。