2020.05.29 【スマートファクトリー特集】東芝インフラシステムズ、IoT対応コントローラを提供

ユニファイドコントローラVmシリーズtypeS

 東芝インフラシステムズは産業機器分野で長年培った基盤技術やノウハウを生かし、顧客ニーズに合わせたソリューションを提供している。

 スマートファクトリー化の流れが加速する中、IoTやエッジリッチコンピューティングによる制御システムを提供し、顧客の高効率なモノづくりに貢献する。

 同社ではスマートファクトリーを実現する技術としてエッジコンピューティングに着目している。

 IoTセンサーを搭載したモーターやインバータで取得したデータを下位層に近いコンピュータで処理することで、通信トラフィック量やクラウドに集中するデータ処理の負荷増大を抑制。遅延のない円滑なシステム稼働につなげる。

 同社はエッジリッチなシステムを構築するIoT対応コントローラを提供。用途や環境に合わせてPC型とモジュール型、2種類の製品をラインアップしている。

 PC型のユニファイドコントローラ「nv-packシリーズtypeFA」は、産業用コンピュータにソフトウエアPLCを搭載したコントローラ。

 信頼性や保守性、耐環境性に優れ、温度管理や設備監視などの用途に適している。同製品は今年度中の発売開始予定。

 18年に先行発売した現行機種「typeFR」と比べコンパクトでありながら、CPU性能などパフォーマンスは向上した。

 モジュール型のユニファイドコントローラ「VmシリーズtypeS」は、PLCと同様のサイズでラックへの設置が可能。既設制御盤を利用しスムーズな更新が可能で、従来機種と同様のリアルタイム制御性能を実現している。

 両製品ともLinux OSと仮想化技術により、産業用コンピュータとコントローラの機能を統合した。Linuxなど標準的なオープンソースソフトウエア(OSS)を利用しながらも独自に最適化し、アーキテクチャ内を全て自社で構成した。

 ソフト上の不具合があった場合でも自社での対応が可能で、産業分野で求められている長期信頼保証に対応している。

 産業システム事業部の岡庭文彦技師長は「エッジリッチコンピュータに求められるビッグデータを高速処理する性能・容量、過酷なフィールド環境での稼働、セキュリティ対策などの要件全てに対応する。現在は分析結果をフィードバックしアラートを鳴らすなどしているが、将来的には自動的に負荷分散し、止まらない工場の実現につなげていく」と話す。