2020.05.29 【スマートファクトリー特集】JUKI、スマートソリューション提案 表面実装ラインを核

オールインワンマウンタ「RS-1R」

 JUKIは、生産の自動化要求が高まる中で、表面実装ラインを核にした「JUKIスマートソリューション」の提案営業をグローバル市場で強化している。

 JUKIスマートソリューションは、統合システムであるソフトウエア「JaNets(ジャネッツ)」をベースに実装機、はんだ印刷機、基板検査装置、部品自動倉庫などをつなぎ、IoT/M2M技術を駆使して高品質なものづくりを実現する。実装ラインを構成する高速コンパクトモジュラマウンタ「RX-7R」は、産業機器などで使われるLサイズ基板(420×450ミリメートル)の2枚同時生産を実現する高速マウンタである。

 オールインワンマウンタ「RS-1R」は0201部品(0.2×0.1ミリメートル)から74ミリメートル角、50×150ミリメートルまで、高さは25ミリメートルまでヘッド交換不要で搭載できる。1ヘッドマウンタで最速の4万7000CPH(最適条件時)を実現した。

 3D(3次元)基板外観検査機「RV-2-3DH」は、高画素の1200万画素カメラを採用し、同社独自の高速画像処理アルゴリズムにより、クラス最速の検査スピードを実現している。

 表面実装の前後工程の自動化設備を強化している。前工程では「インテリジェントストレージ管理システム」(部品自動倉庫)を提供。「ISMシリーズ」としてテープリールを最大3600巻保管できる「ISM3600」など品ぞろえを拡充している。

 部品倉庫から取り出したテープリールをロボットとAGV(自動搬送装置)を用いてタイムリーに自動搬送するシステムに加え、入庫するテープリールに個別バーコードを発行し、管理できるシステム「Incoming materials station」も新たなソリューションとして拡充した。

 後工程では、これまで手作業で行っていた大型コンデンサなど表面実装後の異形部品の搭載(挿入)を自動化する異形部品挿入機「JM-100」とロボットの組み合わせにより、自動化の領域を急速に拡大している。

 JUKIスマートソリューションの推進でアライアンスを広げている。JaNetsは日立製作所とのコラボレーションによる変種変量生産を最適化するソリューションや、三菱電機が推進しているFAとITを融合した統合生産システム「e-F@ctory(イーファクトリー)」とも連携する。

 今後の成長戦略として非実装領域への事業拡大を目指している。

 3Dプリント基板外観検査装置「RVシリーズ」は車載部品やガラスレンズの傷など他分野への応用を提案し、既に実績が上がっている。

 インテリジェントストレージ管理システムは、薬剤をはじめ電子部品以外の自動倉庫としての活用を提案する。

 同社グループのJUKI産機テクノロジーが開発したねじ締め機は、多関節ロボットを組み合わせた「MR-01」として、プリント基板用途のほか、様々な製品の組み立てなどに提案する。