2025.01.01 【家電総合特集】暮らし&ホームソリューション’25展望 エコキュート

給湯の省エネを実現するエコキュートが注目されている

給湯分野の省エネに効果

補助金を追い風に需要増期待

 カーボンニュートラル実現に向け、CO₂排出削減効果が大きい給湯分野の省エネに対する関心が高まっている。家庭内でのエネルギー消費が多い給湯分野の省エネを推進する一つとして期待が強まるのは、自然冷媒ヒートポンプ式給湯機「エコキュート」だ。

 家庭でのエネルギー消費のうち、約3割を給湯が占めており、住宅の省エネにおいて給湯の省エネは大きな課題となっている。

 高効率給湯機の導入は、給湯の省エネにおいて有効な手段となるものの、高額な機種が多いため導入のハードルは高く、導入補助金も強化された。

 2024年度は、経済産業省、国土交通省、環境省の3省が連携して、住宅の省エネリフォーム支援「住宅省エネ2024キャンペーン」が展開されている。

 エコキュートをはじめ、電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)、家庭用燃料電池「エネファーム」の普及を目的に、補助を行っている。

 高効率給湯機の中でエコキュートは、最も市場規模が大きい。日本冷凍空調工業会(JRAIA)がまとめた出荷統計では、22年度に過去最高となる70万台強を記録し市場は順調に拡大。23年度は前年度比87.6%の61万6000台にとどまったものの、24年度は5月以降、前年同月を上回るペースで推移している。8~10月は各月とも前年同月比2桁伸長だった。

 エコキュートは、普及拡大に力が入るZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)において約7割と、一番多く標準採用されており、補助金を追い風にエコキュート導入の加速が期待できる。

 エコキュートが登場したのは01年度で、買い替え需要も増えるとみられる。耐用年数が10年のため、10~15年で買い替えるユーザーが多く、現在、10年前後に納入された機器の更新時期を迎えている。今後、新規需要に加え、着実に更新需要が見込める。

 太陽光発電システムを設置する世帯では卒FITユーザーが増加。電力の自家消費ニーズが強まっており、太陽光発電システムの余剰電力を有効に活用して沸き上げる「おひさまエコキュート」も注目されている。

 今後さらに省エネニーズが強まっていく中で、市場規模は中・長期的に拡大基調にあると言える。将来的には年間100万台規模の市場になるとの期待も強まっている。