2025.01.01 【家電総合特集】デジタルAV’25展望 レコーダー

店頭では専用機ならではの録画機能や持ち出し機能なども訴求

便利機能を訴求で需要開拓

全録やネット接続など

 2025年のブルーレイディスク(BD)やハードディスクドライブ(HDD)を搭載した国内のBDプレーヤー・レコーダー市場は引き続き厳しい状況になりそうだ。レコーダーの需要は減少が続いており、この流れは今後もさらに続いていくとみられる。

 減少の背景には動画配信サービスの拡大やテレビの録画機能を使う消費者が増えていることなどが挙げられるが、半面で一度レコーダーを使ったユーザーは継続して購入する傾向もある。専用レコーダーならではの録画や番組持ち出し機能といった、便利機能を訴求することで新規の取り込みと買い替え、買い増しの掘り起こしにつなげていくことが求められる。

 電子情報技術産業協会(JEITA)の需要見通しによると、国内のBDプレーヤー・レコーダーの国内需要は、23年は前年比27.0%減の130万台だった。24年は同26.9%減の95万台になる見通しで、25年以降も2桁減が続く見通しだ。プレーヤーよりもレコーダーの方が減少幅は大きく、この先もレコーダーの下げ幅が大きくなりそうだ。

 プレーヤーは4K対応のBD規格「ウルトラHDブルーレイ」に対応した機種などもあり、一部で映画コンテンツをディスクで視聴する需要はあるものの、この先も減少傾向は続く見込みだ。

 現在、国内でBDレコーダーを開発販売しているメーカーは、パナソニック、ソニー、シャープ、TVS REGZAなどで、各社の製品は2チューナー/3チューナーといった複数チューナーを内蔵している。

 地上デジタル放送やBS・110度CSデジタル放送などの複数チャンネルの同時録画ができる「多チャンネル録画」モデルが中心。複数チューナー搭載モデルは、地上デジタル放送の同時2チャンネル録画や、地上デジタル放送とBS放送の同時録画もできる。3チューナー搭載モデルは同時録画できる番組数が増え、通常の番組を視聴しながら録画できる番組数も増やせる。

 上位機は放送番組を丸ごと録画する〝全録〟モデルがあり、地上デジタル放送をはじめとした放送番組を一定期間全て録画して好きな時に楽しめる。上位機には視聴者の好みに合わせ好きなジャンルや好きなタレントが出ている番組を自動録画する機能などもある。連続ドラマを自動で録画するモデルなど、メーカーによって録画機能も多彩だ。

 インターネットに接続することで人気録画番組ランキングを表示できるものもあり、機能面だけでなくネット接続によって得られる付加情報を訴求する動きもある。ネット接続することで外出先でもスマートフォンなどで録画番組が楽しめる宅外視聴できる機種や、カーナビゲーションシステムと連携してドライブ中に録画番組が見られる機種もある。

 ここ数年は多くのテレビに録画機能が付き、テレビの録画で済ませる人も多いため、購入層が限定的になっている。専用のレコーダーにしかできない機能も多く、録画視聴の楽しさを訴求できるかも鍵を握る。