2025.01.03 【家電流通総合特集】今年を占う期待の商品 電波新聞社アンケート 今年の景況感「普通」以上が68%
電波新聞社では、全国の地域電器店に「今年を占う 期待の商品」に関するアンケート調査を実施した。調査期間は昨年12月上旬から下旬まで。68店から有効回答を得た。「今年の景況感はどのように見ているか」という問いに対し「非常によい」「よい」「普通」と回答した店が7割弱あった。対して「悪い」「非常に悪い」と回答した店が3割以上あった。ただ、国や自治体の補助金・助成金に対する期待の声も多く、関連する設備商品や白物家電に前向きに取り組む姿勢も強かった。
国の補助金施策などに期待
Q1では、今年一年の景況感をどのように見ているかという問いに対し「非常によい」「よい」と答えたのが17%を占め、「普通」と回答した店を合わせると68%が普通以上となった。一方「悪い」「非常に悪い」と答えたのは32%だった。
Q2ではQ1で「非常によい」「よい」と回答した理由について「国の補助金施策・中小企業政策」(6件)、「自治体の補助金施策」(3件)と国や自治体の補助金に期待している声が多かった。また「防犯、防災対策ニーズの高まり」(6件)もトップで社会情勢を反映する形となった。
Q3ではQ1で「非常に悪い」「悪い」と回答した理由について聞いた。トップは「物価高」(17件)。
また「消費マインドの低下」「景気そのものがよくないから」(共に10件)の意見も多く、景況感が悪くなると感じているようだ。「地域の高齢化」(14件)と答えた店もあった。
この状況下、地域店が扱う商品の期待のジャンルをQ13で聞いた。トップとなったのが「リフォーム・住設商品」の26件。続いて「白物商品」が25件と続いた。「映像・音響・デジタル商品」は8件、「小物家電・その他商品」が5件。
トップの「リフォーム・住設商品」で期待する商品を聞いた(Q8)ところ、エコキュートが35件でトップ。二重窓(12件)も上位となり、補助金関連の商品が人気。また、トイレ(24件)、洗面台(15件)、システムキッチン(13件)、システムバス(11件)と水回り商品も上位を占めた。蓄電池・太陽光発電システム(8件)など創・蓄エネ商品に期待を寄せる声もあった。
Q9ではQ8の商品を期待する理由について約4割が「補助金の後押しがある」と答えた。ミヤデン岩間光熱店(宮城県大河原町、岩間範男社長)では、国の補助金を活用したリフォーム案件を獲得。ある顧客の物置を寝室に改修。同時に、浴室をユニットバスに改修した。「補助金がらみの案件については、申請を手伝いながら、作業を進めた」という。
期待の白物、エアコンがトップ
白物家電で期待するもの(Q6)としてトップだったのがエアコンで58件。続いて、照明が28件。冷蔵庫(24件)、洗濯機(22件)と大型の白物商品が続いた。
Q7ではQ6の商品を期待する理由について聞いたが温暖化や省エネニーズの高まり、工事が伴う商品としてエアコンを推す店が多かった。また、2027年の蛍光灯ランプ製造禁止を理由に照明に期待する意見も多かった。
平和デンキ舟入本店(広島市中区、船本益広社長)は、暖房用途が拡大しているエアコン、時短でドラム型洗濯機、LED化で照明を期待商品として捉えている。まみねでんき(東京都品川区、小谷野敬子社長)はLED照明とエアコンに期待。エアコンは暖房器具としても使用する家庭が増えてきた。地域店の強みであると考える工事を付随して提案を行っていく。LED照明はお客に蛍光灯が製造中止になることを伝え、買い替え提案する。
Q4で質問した「映像・音響・デジタル商品」で、期待する商品としてテレビと答えたのが44件あった。続いて、多かったのが補聴器の23件。情報機器も13件となった。Q5ではQ4の商品を期待する理由について聞いたが高齢化に伴い、補聴器へのニーズが高くなったなどの意見が聞かれた。また、テレビも買い替えニーズがあるからと回答したところも。
スウィートかめみず(大阪市東成区、亀水政晴社長)は、テレビをインターネットにつなぐことで得られる楽しさを訴求することで販売につなげる。亀水社長の妻・晴代さんは「音声検索機能が付いた機種は操作も簡単。いろいろ楽しめるからと買い替えにつながれば」と話す。カノデンキ(福岡市東区、古藤充社長)はテレビに期待。取り扱っているREGZAのシェアが高くなっており、同店のオンラインショップでの販売が増えると予想する。
セキュリティー関連製品に注目
Q10で「小物家電・その他商品」で期待するもので上位を占めたのが「ドアホン」「セキュリティーカメラ」(共に49件)、「録音機能付き電話・FAX」(14件)。また、「防災商品」も25件となった。「健康商品」も9件。Q11でQ10の商品に期待する理由を聞いたが約6割近くが「強盗事件」「犯罪増加」の観点から防犯商品に期待すると答えた。
シャープ系のナルデン(和歌山市、成瀬裕之社長)は、防犯を切り口にリフォームや関連商品を提案。例えば、二重窓は、結露の防止に加え、破壊しにくく、侵入を防げることを伝えているという。ナショナルヤガタ本店(名古屋市千種区、矢形修己社長)も強盗事件の多発、自然災害の甚大化を受け、防犯・防災対策商品へのニーズが高まっている。車などの盗難被害を予防しようと、グッズ、モニター付き防犯カメラが注目を集めているという。エルク(千葉県浦安市、吉田達也社長)は、期待の白物商品として「ジアイーノ」を挙げる。4月から風邪が5類感染症へ移行することを受け、同店は体調管理の重要性を改めてお客に呼びかけている。
Q12では今年取り組む販促策を聞いた。トップとなったのは「国や自治体の補助金、助成金」(36件)。また、「合展、個展などのイベント」(24件)、「チラシ、ニュースレターなど紙販促」(21件)、「SNSなどのデジタル販促」(16件)、「メーカーキャンペーン」(14件)と続いた。丸英でんき(青森県つがる市)では販促としてSNSなどのデジタルの活用やチラシ、ニュースレターなども考えている。