2025.01.09 【電子部品総合特集】部品メーカートップに聞く 2025年の経営戦略 SMK 池田靖光社長
池田 社長
事業部を軸に製販一体体制
2025年は在庫調整局面が終了し、家電や産機関連の需要が回復することを期待している。AI(人工知能)関連市場は引き続き拡大が見込まれ、生成AI搭載のスマートフォンやパソコン(PC)などの需要拡大を期待する。予測が難しいのは米新政権誕生後の関税政策や脱炭素戦略。それでも長い目で見れば脱炭素関連の市場は成長していくと思う。
24年度から新中期経営計画「SMK Next100」(3カ年)をスタートした。新中計ではSMKビジョンのもと、「2035年長期ビジョン」を社内で議論を重ね、策定した。当社は25年4月に創立100周年を迎える。長期ビジョンでは「2035年ありたき姿」に「あらゆるニーズを実現する〝ものづくり力〟で次の100年に貢献する。」を掲げた。
エレクトロニクスを活用したいと考える新しい顧客がいろいろな業界で増えている。モノづくり技術の提供により、豊かな社会の創造に貢献していきたい。コア技術の高度化を図り、付加価値のある製品・サービスを開発、提供していく。同時に、顧客の一歩先を提案する企業を目指す。
新中計は、長期ビジョン実現への最初のマイルストーンとして「持続的成長に向けた構造改革を加速させる期間」と位置付け、売り上げ・利益の成長軌道回帰に向けた資源投下とコスト構造改革、経営基盤の強化を推進する。高付加価値分野やニッチ領域での事業拡大、ビジネスモデル変革、カスタム部品からソリューションビジネス企業への進化、部品単体にソフトウエア・アルゴリズムを付加した提案などに取り組み、課金型ビジネスにもチャレンジする。
新中計の基本方針は①成長戦略②経営基盤の強化③資本・財務戦略の高度化④ESG&サステナビリティ経営の推進。24年4月に事業部を軸とした製販一体体制を確立した。これにより、営業担当者の専門性を一層高めるとともに、原価管理の高度化やIT活用強化などを図っていく。
CS事業部は持続的な売り上げ拡大と収益向上、SCI事業部は収益性向上と成長軌道への回復がテーマ。イノベーションセンターは自社技術とオープンイノベーションの活用による新規事業創出を中期テーマに掲げる。