2025.01.14 【電子材料特集】各社の事業展開 プロテリアル
中平 常務
熱・ノイズ対策や信頼性向上製品の小型化や効率化へ
プロテリアルは1910年創業。高機能金属材料を手掛け、2023年に日立金属から商号変更し3年目を迎えた。主力の特殊鋼事業で事業部長を務める中平優子常務執行役員は半導体、フラットパネルディスプレー、一次・二次電池向けなどが軸の電子材部門を「収益、売り上げの面で重要」と打ち出す。
24年の市況は半導体が足踏みし電動車(xEV)も減速。一方で回復を見据えた顧客の製品開発など「活動量は大きい」(中平氏)ため、今後もエレクトロニクス業界がさまざまな需要をけん引すると見る。
25年の半導体市況は緩やかな回復基調と予測。xEVは前年の減速の影響が残るが中長期的成長を見込む。中平氏は「中期的経営計画を立てる中で25年度達成すべき目標は具体的になった」とするが、読みづらい市況は続くため需要の変化などに柔軟に対応する。
顧客である業界のリーダー企業から技術課題をいち早く入手できる位置を生かし、ソリューションを提供する事業モデルを強化。顧客の製品の小型化や高効率化に必要な熱・ノイズ対策や信頼性向上に注力してゆく。
半導体向けリードフレーム材は顧客の要求に応じた寸法精度の実現やきめ細かい対応による高い信頼性を打ち出す。複数種の金属を接合したクラッド材は放熱性と信頼性など異なる機能を一つの素材に持たせられる点を訴求する。
高性能化、小型化の要求に応えるため素材を個片化し付加価値を持たせる技術も生かす。
生産性向上では原料の溶解から一貫で行っている知見を生かし特殊鋼事業全体で課題を解決する。
持続可能な社会への貢献には製造工程のCO₂排出量を30年度に15年度対比38%削減する目標を23年度に前倒し達成後も積極的。24年は国際連合提唱のグローバル・コンパクトに署名し、国際評価機関エコバディスから上位評価も得た。
人材育成は海外対応を重視。若手を現地拠点に駐在させ、欧米や中国で展示会の仕切りも委ねる。