2025.01.15 ブランド戦略まき直し アルプスアルパイン、車載以外も強化へ
「ブランド戦略をまき直す」と語る相原執行役員
アルプスアルパインが、ブランド戦略のまき直しを図る。主力の車載関連だけでなく、さまざまな技術や製品を保有していることを認知してもらうため、対外的なアピールを強化する。世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」を皮切りに今年、技術力の積極的な発信に力を入れていく。
「これまではオートモーティブ中心に提案してきた。その軸は変えずに、当社が新たにできることをしっかりと伝えていく」。相原正巳執行役員技術担当兼コンポーネント事業担当は、CES会場でそう力を込めた。
同社は、部品メーカーのアルプス電気とカーナビなどを手掛けるアルパインが統合して2019年に発足。コロナ禍もあったため、統合後として本格的なCES出展は「今回が初」(相原執行役員)という。
プライベートエリアで機器やシステムを組み合わせたオートモーティブのシーン展示を特定の顧客に提案する一方、オープンエリアでは車載以外に軸足を置いた展示に。例えば、ボタンを押した際の押し込み量と感触を磁気とセンサーの技術を使って再現した「感触可変スイッチ」の展示などがそうだ。細かな感触にまでこだわるeスポーツのコントローラーなどをターゲットにした製品で、「既に持っている技術を生かし、新たな領域に応用していく」(相原執行役員)ことを狙った展示になる。
センサー技術などの組み合わせで車載以外への応用展開を目指す――。そのためにも認知度を高め、ブランドを構築していきたい考えだ。相原執行役員は「CESは第一歩。今年は当社を理解してもらうためにもどんどん情報を発信していく」と方向性を示した。