2025.02.04 【コネクター特集】イリソ電子工業 モビリティーと産機向けに注力

 イリソ電子工業は、モビリティー市場、産機市場、コンシューマー市場を事業拡大に向けた柱と位置付けて、積極的な新製品開発と生産体制の強化を進めている。

 自動車市場ではAVNに加え車載電装分野でも高い技術力が評価され、新製品のスペックインが活発だ。中期経営計画では注力分野を「モビリティ分野ー」と「インダストリアル分野」に定め、車載で培った技術をモビリティー全般に展開。産機向けは車載に次ぐ第2の柱として確立させる。

 独自のフローティングテクノロジーを採用した3次元可動BtoBコネクター「Z-Moveシリーズ」を拡充。接点が固定されたままZ軸が可動する構造で、耐振動性、耐衝撃性に優れている。振動(共振)・衝撃によるはんだ付け部のストレスを緩和し、作業性、信頼性を大幅に高められる。

 新製品ではパワートレイン用高電流コネクターや高速伝送用コネクターの開発に力を注ぐ。パワートレイン系では「3次元可動BtoBコネクター」と「振動シミュレーションサービス」を組み合わせた「耐振ソリューション」を展開。振動シミュレーションサービスによって顧客機器の耐振性を評価し、問題点の早期把握と対策の提案を行い、高い評価を得ている。

 10143シリーズは25ギガbpsの高速伝送とフローティング機能を両立させた0.5ミリピッチ基板対基板(BtoB)コネクターだ。X-Y方向に0.8ミリメートル可動。基板間の位置ずれを吸収し複数接続時のアライメント調整を容易にする。OIF CEI-28G-SR規格で25ギガbpsの検証を完了。大きな可動域でのフローティング機能ながら史上最高クラスの高速伝送を実現した。