2025.02.03 京セラ、4~12月連結は汎用DC向けなどが低調

 京セラの2025年3月期第3四半期(24年4~12月)連結決算は、生成AIがデータセンター(DC)需要をけん引したが、汎用(はんよう)DCやスマートフォン、自動車向け需要が低調、売上高は微減。利益面で、コアコンポーネントおよび電子部品両事業の生産設備の稼働率低下や人件費増に加え、汎用DC向けFCBGA(有機パッケージ基板)の需要低迷により大幅減益。

 部門別では、コアコンポーネントが半導体製造装置向けファインセラミックスは堅調ながら、汎用DC向けFCBGAの販売減少を主要因に売上高は微減。利益面では有機材料事業における有形固定資産の現損損失など約430億円計上により大幅な減益となった。

 電子部品は、情報通信、産業機器向けコンデンサーや水晶部品が販売増だったが、欧州自動車市場低迷により売上高はほぼ横ばい。子会社KAVXの新工場稼働率低迷による原価率上昇もあり、利益も大幅減。

 ソリューションは、ドキュメントソリューション(DS)事業が円安効果により増収だったが、ほかの事業が減収。ソリューション事業の利益はDS事業の増収に加え、コミュニケーション事業の収益性改善が寄与、12%の増益だった。

 決算会見で、谷本秀夫社長はコアコンポーネント事業減収の要因になったFCBGAの需要について「回復の見通しはまだ見えてこない」と述べ、有機材料事業の人員配置については「約400人を別の事業に振り分ける方針」と語った。