2025.02.14 東芝、4~12月は10%増収・過去最高益達成

 東芝の2025年3月期第3四半期(24年4~12月)決算は、半導体が市況回復の遅れの影響を受けたが、発電システムなど強化事業領域を中心に拡大し前年同期比9.8%増収となった。引き当て後の営業損益、税引き前損益、最終損益ともに黒字に転換し、第3四半期累計で過去最高益を達成した。

 事業別には、強化領域の半導体は減収だったものの、発電システム、送変電・配電、公共インフラといった強化領域をはじめ、HDD(ハードディスクドライブ)やリテール&プリンティング、鉄道・産業システムなどの課題領域も売り上げを拡大した。

 営業損益は、限界利益率と固定費比率の改善などの経営改革が成果になった。HDDや発電システムをはじめ、採算性を重視した改革を進めた国内エレベーターを中心としたビルソリューションが改善し、引当前・引当後ともに全セグメントで増益となった。最終損益もキオクシアの業績改善による持分法損益増により大幅増益だった。

 リスク管理の強化を進めたことで引当金などの発生は509億円改善した。池谷光司副社長は「損益は全てで黒字となり前年実績を大幅に上回った。経営改革と自助努力を着実に成果に結び付けることができた」とコメントした。