2025.07.31 【家電流通総合特集】エアコンと照明の2027年問題でアンケート 電波新聞社まとめ

エアコン 省エネ基準引き上げで値上がり

63%が「対策していない」

 電波新聞社は、エアコンと照明の2027年問題に関するアンケートを行い、地域電器店40店から回答を得た。蛍光灯の製造と輸出入の禁止を前に80%がLED照明を積極的に提案するなど対策を行っている。一方、省エネ基準の引き上げによりエアコンの本体代が値上がりすることが懸念されていることに対しては、63%が「対策していない」と回答している。27年まで残り約1年半となるが、エアコンと照明では、対応に温度差がありそうだ。

 Q1では、エアコンの27年問題について何か対策を講じているか聞いた。「対策していない」が63%と半数を超えた。一方、37%の店では、既に対策をしている。

 Q1で「対策していない」と答えた店のうち、52%は今後、「対策をする」と回答(Q2)。約半数の48%は「対策しない」と答えた。

 対策を始める時期(Q3)としては26年が46%と最も多く、次いで今秋が31%となった。今冬、今すぐするという店もあり、今年中に対策を講じる予定の店が半数を超える。

 Q4では、エアコンの27年問題についてどのような対策が考えられるかを聞いた。半数となる20店が「エアコン販売時に話をする」と回答。次いで、「メーカーからの情報を積極的に得る」が18店、「在庫の確保」が13店などとなった。

 情報が少なく、対策が取りにくい中ではあるが、今後は情報収集をしつつ、お客への周知もしていくことになりそうだ。

 エアコンの27年問題に対する意見を聞いたQ5では、「値崩れが発生し、27年以降も販売可能な省エネ機種が価格破壊を起こさないか心配」「エコポイントと同様に需要の先食いになると思うので、リスクヘッジとして今から増販商品を見つけないといけない」「大きな問題となるため、メーカーの動きを早く知りたい」といった状況を不安視する声が聞かれた。

 27年基準をクリアしている上位機種を中心に販売に取り組んでいる地域店からは、「日頃から寒冷地仕様など冬、夏に省エネで対応できるモデルを提案している」といった意見があった。今から省エネ性能の高い機種の提案に慣れておくことで、27年以降も安心して対応ができそうだ。

 「値段が2~3割上がる見込みなので電機商組で各自治体に省エネ補助金の提供を呼び掛ける」という声も。補助金は高単価な商品を購入するきっかけになる。補助があるかどうかは、提案しやすさに影響を与えそうだ。

照明 蛍光灯の製造と輸出入禁止

80%が「対策している」

 Q6では、照明の27年問題について対策をしているかを聞いた。80%が「対策している」と回答しており、6割が対策をしていないエアコンと比べ、対照的な結果となった。

 Q6で「対策していない」と答えた店では、37%が今後の対策を検討しており、63%は対策しないと回答している(Q7)。

 Q8では、対策を始める時期を聞いた。26年が67%、お盆以降が33%となった。

 どのような対策が考えられるかを聞いたQ9では、25店が「常にLED照明を提案する」と回答。「顧客へのPR」が19店、「在庫の確保」が13店、「蛍光管が残っている箇所の確認」が12店などとなった。

 エアコンで回答の多かった「メーカーからの情報を積極的に得る」は6店にとどまっており、照明では、より具体的な対応策を検討している店が多い。

 Q10では、照明の27年問題に対する意見を聞いた。

 「チラシなどを使って以前からLED照明の販売に力を入れており、売り上げも上がっている」「LED照明はかなり普及しており、価格が手ごろなものもあるので混乱なく27年を迎えられそう」といったポジティブな意見が多かった。LED照明の提案に慣れている店も多く、不安の声は少なかった。

 大阪府の地域店からは「自治体と連携し、蛍光管の回収ボックスを店頭に設置している」という回答があった。

 一方、法人関係は蛍光灯が多く残っていることが考えられることから、「中小企業などが設備投資を控えている中で、対応が間に合うのか」と疑問を持つ店もあった。

 「和室に合う照明が少ない」「LED照明がまぶしいという顧客もいる。照度の低い機種を出してほしい」といった、蛍光灯からLED照明への切り替えを提案する際の問題点を指摘する回答もあった。