2025.08.06 デジタル庁、大規模災害時の対応支援 防災DXの官民協議会とチーム創設
閣議後会見に臨む平将明デジタル相 出所:デジタル庁のホームページ
デジタル庁は、大規模災害の発生時に応急活動をデジタルの面から支援する「災害派遣デジタル支援チーム(D-CERT)」を創設した。防災分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する「防災DX官民共創協議会(BDX)」と連携して立ち上げたチームで、被災地での災害対応が円滑に進むよう必要な活動に取り組む。
D-CERTは、大規模災害の発生時に被災した都道府県に入り、被災地のニーズに応えるデジタル支援メニューを提案し、支援内容を具体化させる。この中で同庁は全体を総括する役割を担い、都道府県との調整や支援ニーズの把握などに取り組む。BDXは「災害対応部会」という立場で、支援ニーズに基づいて会員企業との調整にもあたる。事務局は、委託先の防災関係団体が担う。
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、発災直後からBDXのデジタル人材らが被災地に入り、石川県のニーズに応じて、避難者の状況を把握するためのシステムをその場で構築するなど、県の災害対応をデジタルの面からサポートした。同庁はこうした経験を踏まえ、大規模災害時に被災都道府県の災害対応が効果的に実施できるよう、BDXと協働してD-CERTを設けることにした。
平時は、大規模災害に備えて被災地への派遣要員をリストアップする作業を進めるとともに、マニュアルの作成や研修などを実施する計画。平将明デジタル相は5日の閣議後会見で、D-CERTについて報告。「今月から各都道府県への説明会を通じてD-CERTの周知を図るとともに、チームの訓練や研修を継続しつつ、災害がいつ起きても対応できるよう備える」と説明した。
BDXは同庁の声掛けで22年12月に発足した団体で、データ連携基盤など防災DXに必要な施策について検討を進めるとともに、DX市場の形成も目指している。 地方自治体や民間事業者などが参加し、会員の総数は7月時点で537者という。