2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】スミダ・エレクトロニック・ベトナム スミダコーポレーション 新工場完成で車載立ち上げ前倒し
SEV新工場
スミダコーポレーションはASEAN生産体制の拡充を進めている。ベトナムでは「スミダ・エレクトロニック・ベトナム(SEV)」の新工場が近く完成予定。タイ工場(SET)では現地化が進み、来年1月から日々の業務をローカルマネジメントに一本化する。
同社はASEANではタイとベトナム(2カ所)に工場を展開。顧客のASEANでのモノづくり体制構築要求に応えるための体制づくりに努めている。
畑山佳之VP(アジア製造戦略兼グローバルマニュファクチャリングテクノロジーアジア)は「市場が求めるモノづくり体制構築を進める。現地の人々を育成し、従業員が豊かになることを戦略の基本とする」と話す。
SEVはこれまでハイフォンのレンタル工場で操業してきたが、新たに自社工場をハイズオン省に建設中。9月末の完成、10月の一部生産開始を予定する。新工場は建屋面積約1万2000平方メートル、生産エリア約5800平方メートルと従来工場より大幅に広くなる。
新工場では、まず民生用を立ち上げ、その後車載製品の生産を検討する計画だったが、顧客要求に応えるため車載の立ち上げ時期を前倒しする。
「2026年3Q(7~9月)から準備に入り、27年の量産開始を予定する」(畑山VP)。
ベトナムのクアンガイ工場(SEQ)はEV用モジュール生産で実績を上げている。23年に第3工場も稼働した。「クアンガイではEV関連の生産が順調で新しいアイテムも急増している」(同)。
畑山VPはASEAN生産動向について、「トランプ関税でのマイナス影響はほとんどない。ベトナム生産への顧客の要望は間違いなく増えている」と話す。インドでのモノづくりの可否などに関する調査も行う。