2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】HDKタイランド 北陸電気工業 5ライン分の高精細検査機導入
HDK(タイランド)の外観
北陸電気工業は、タイ工場「HDK(タイランド)」で車載用を中心とした基板アセンブリーモジュールの製造販売を行っている。
同工場はアユタヤ県ハイテク工業団地に立地し、2万773平方メートルの敷地に建屋延べ床面積7700平方メートル。従業員数約350人。
江守司MD(マネージングダイレクター)は「最新鋭のSMTラインを保有した高密度・高速実装対応が可能な工場。はんだフロー+各種組み立て+検査工程を連結し、幅広く顧客要求に対応している」と話す。
仕向け地はタイ国内のほか、日本、欧州、ASEAN、南アフリカなど。生産品目は約8割が車載で、液晶モニター(CID)、電動コンプレッサー、各種ECUなどの基板アセンブリーモジュールを生産。残りの2割が非車載系モジュールとなっている。
2022年に第3工場が稼働した。今年7月にSMTラインを1ライン増設し、現在は9ラインで生産。26年度も1~2ラインの増設を予定する。
24年度売上高は前期比約10%増となり、25年度も10%程度の成長を目指す。車載や自転車向けなどの生産が増加しており、「26年はさらに車載が増加する見込み」(江守MD)。
同工場では新たに5ライン分の高精細な検査機を導入。「0603などの微細な電子部品が増えているため、3D AOI検査機や3D Xray検査機などを導入し超微細実装への対応力を強化している」(江守MD)。
24年後半から「MES(製造実行システム)」の導入を始め、工程全体の約3分の2で導入が完了した。26年までに全工程に導入する。これによりロットトレースがリアルタイムに電子化され、不良に迅速に対応できるようになった。
26年度には生産能力を1.5倍程度に増強する計画。「生産が増えても建屋・人員の上昇を最小限にすべく、単位当たり、かつ1人当たりの生産性向上・改善に取り組む」(江守MD)。検査工程でのAI活用も進める。