2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】ASEAN拠点 サンワテクノス SCMに技術支援体制加え進化
サンワテクノスは、ASEAN地域統括として、7カ国に計11拠点(台湾含む)を展開。新たな投資の波に向け、地の利を生かしたSCM強化に多様なローカル化と新規ビジネスを加え柔軟で強固な組織を目指している。
喜多村修寛執行役員アジア太平洋地域統括部長(サンワテクノスタイランドMD兼務)は、ASEANについて「チャイナ+1の最有力地域であり、ASEAN以西(インド、アフリカ)地域とのビジネスを肌で感じられる地域。ASEANは変革の時代を迎えており、今後大きくビジネスを拡大していける市場」と話す。
同社は第12次中期経営計画の海外エリア戦略の中で、ASEANは「SCMに技術支援体制を加えたビジネス形態に『進化』」を方針とし、現地ローカル企業と取引拡大、現地日系工場の調達ビジネス拡大、現地企業との協業を推進する。
2025年度の営業方針は①各拠点ごとの最注力客先の底上げ②新規顧客の開拓③新規加工品ビジネスの拡大。主力のSCMビジネスの強化に加え、エンジニアリング事業拡大を図る。エンジニアリング部門は、タイ、インドネシア、ベトナム、台湾に計17人の技術者が在籍し、技術力向上と域内で商談を完結できる体制づくりを進める。顧客第一志向で顧客満足度を上げ、常に選ばれる会社となることを目指す。
新規顧客開拓では、ASEANへの新規進出企業の情報をいち早く入手するための日本との連携強化や、現地スタッフ育成による提案型営業力向上などを図る。加工品ビジネスでは、新しい加工品メーカーの開拓と立ち上げを推進する。
ASEAN地域の売上高は、22年度下期をピークに停滞したが現在は回復傾向。「3年後には営業利益を2倍にする目標を立てている。売り上げは2年後の過去最高更新を目指す。トランプ関税が決着し、これまで抑制されていた投資が動き出すとの話も出てきている」(喜多村執行役員)。
販売体制強化のため1月からSFA(営業支援ツール)を導入し、情報共有と営業効率向上を推進。最適評価制度によるモチベーション向上にも努める。喜多村執行役員は「市場自体が変化、進化しているため、われわれも変革し進化することで対応していく」と話す。