2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】おおとりベトナム 岡本無線電機 ローカルと新規取引企業を開拓

榎本 GD榎本 GD

 岡本無線電機はこれまで取り組んできた海外ビジネスもさらに強化する。成長市場のベトナムは、ローカル人員を強化したほか、ローカル企業、日系新規企業を開拓。目標比2桁以上の増で推移している。

 おおとりベトナムは2012年2月に拠点を開設。スタッフは現地セールスなどを含め6人体制。車載向けのほか、医療向け、小型プリンター向け、小型家電向けなどで需要が伸びている。売り上げは拠点設立当初に比べ2倍以上の規模となった。

 25年4月から25年8月までの実績は、目標値2桁以上の伸びで推移している。「ローカル企業と新規取引企業の開拓を推進した」と榎本貴実ゼネラルディレクター(GD)。この3年間でローカル企業は4社、新規取引企業は7社増えた。医療向けのセンサーやハンディープリンター向け、理美容関連商品向けの需要を新たに獲得している。

 榎本GDは現職に就任して4年目。この間、ローカル企業の開拓を推進したほか、ローカルセールスを1人増員。ベトナム語を学び、スタッフとのコミュニケーションを円滑にしたほか、仕事をスタッフに任せるよう心掛けた。結果としてローカルを含めた新規企業が増え実績が高まった。

 足元の状況は、地元企業の成長率が5%程度と順調に伸びる見込みで、同社の受注残は前年比10%増で推移。先々の受注も期待が持てるという。一方で、例年1月下旬の大型連休が今年は2月に移行しており、年度末近くに長い休みが入ることに不安を持つという。

 現在、ベトナム南部のホーチミンにある拠点から北部のハノイをカバーしており、ハノイでの拠点化を目指す。また、岡本無線電機の電装開発部が出張ベースでフォローしており、日本からの支援も受けながら新規取引企業を増やす。

 榎本GDは「現地は経済も人流も躍動している。今後とも成長が見込める地域であり、実績をさらに高めたい」と語った。