2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】東亜無線ベトナム 東亜無線電機 EPE タイランド買収、モノづくり拠点を増やす
東亜無線電機のベトナム拠点「TOA MUSEN VIETNAM(東亜無線ベトナム)」は、昨年から本格的に量産品の生産活動を開始した。7月には東亜無線電機の子会社の東亜電子工業が超精密金属小物プレス部品の製造・販売などを手掛ける「EPE タイランド」を買収。ASEANエリアでものづくりができる拠点が2拠点となった。今後は相互が連携しものづくりの取り組みを面で行う。
東亜無線ベトナムは2016年にホーチミンで設立。日系企業の産業機器向けを中心に、金属加工品の受託検査、ハーネスユニットなどを生産。商社としての機能も持ち、貿易ビジネスが好調に推移しており、昨年11月から量産部品の生産対応を開始。拠点のスタッフ数は25人に拡大。生産設備も導入し、安定したものづくり体制を構築できたことにより。売り上げ規模は前年の1・3倍に拡大した。ベトナムの市場について東亜無線ベトナムの岡田康治社長は「取引先の実績は前年並みで推移。米国関税の影響で、4~5月は順調だったが、以降は落ち着き気味」という。
東亜電子工業が取得したEPE タイランドはアユタヤ地域にあり、敷地面積は約1万6000平方メートル。従業員は約80人。取引先のほとんどが現地の日系企業で小型部品の精密加工が得意。コンシューマー向け製品、車載、医療向けなどに量産製造している。タイの市場について岡田社長は「成熟市場だが、安定成長」と話す。
今後はベトナムとタイの二つのものづくり拠点を有効活用する。EPE タイランドにはスペースがあり、新規案件対応やベトナムのスペースが手狭になった時のフォローを行う予定。また、相互で扱う製品などをそれぞれの取引先に提案するクロスセルも推進。タイでは建屋の再整備を9、10月に行い、これまでの取り組みを推進しつつ、新たなビジネスも模索する。
岡田社長は「商社機能だけでは拡大できない。ものに付加価値を付けて提供することが重要。新たなものづくりのビジネスで東亜無線グループの飛躍につなげたい」と今後の抱負を語った。