2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】ニチコン マレーシア ニチコン ハブリッドコン量産へ準備、26年4月スタート

ニチコン マレーシアの工場

千葉 社長千葉 社長

 ニチコンのグローバルの各需要地に商品供給する拠点「ニチコン マレーシア」(セランゴール州バンギ工業団地)は、今後の伸びが期待できるハイブリッドコンデンサーの量産に向けて準備を進めている。現在は2026年4月からのスタートを予定しており、現在生産している小型、チップ型、ブロック型のアルミ電解コンデンサーと合わせて供給できる体制を整える。

 同工場は1991年に操業。2000年に建屋を増やし、18年に倉庫、昨年に新棟を開設した。敷地面積は4万8280平方メートル。供給体制は欧米、タイ、シンガポールのほか中国、日本など。全世界の顧客に対し、品質のよいコンデンサーを短納期で納めている。生産品目は小型、ブロック型、チップ型のアルミ電解コンデンサー。

 工場では、自動化、見える化をキーワードに生産設備を導入。少人数で生産でき、品質も管理できるシステムを構築した。生産設備の稼働監視システムは各設備の稼働情報をパソコンなどで収集することが可能。クラウド上に保存することで製造事業所や生産現場からも監視できる。また、リアルタイムの生産情報が閲覧可能で早期の対応が図れるという。検査工程でもヒューマンエラーを防ぐシステムを導入。生産状況のデータ化も可能だ。

 ハイブリッドコンデンサーの量産に向けて設備導入を進め、準備を進めている。同製品を量産することで小型、チップ型、ブロック型を提供し、グローバルでバランスの取れた供給体制を確立する。

 今後は自動化、DXなどを推進し、スリムな組織づくりを展開。変化に即時に対応できる拠点にする。ニチコン マレーシアの千葉章博社長は「今年に入り受注の底は見えた。固定費削減も推進しつつ、生産効率を高める。在庫削減活動や歩留改善と廃棄部品削減を継続的に行う」という。

 省エネの取り組みとしてガスコージェネレーションシステムの利用を実施。導入前に対し40%のCO₂削減につながった。太陽光パネルや急速充電器も導入し、環境にも配慮している。